市場関係者に聞く2022年相場(4)いちよし証券・宇田川氏

株式

2021/12/29 16:14

<22年1-3月も「駆け込み上場」続く、21年案件はサスメドに注目>

いちよし証券/宇田川克己銘柄情報課長

 21年のIPO(新規上場)は125社と、07年以来14年ぶりに100社を超えた。前年比では30社超増えたことになる。その理由としては、新型コロナの影響で20年に見送った企業が上場したことと、22年4月の東証の市場再編を前にした駆け込みIPO(新規上場)が多かったことが挙げられる。

 また、目玉となる銘柄が少なかったことも21年の特徴だ。市場からの吸収金額が大きくなったことも相まって、公開価格に対する初値上昇率の年間平均はここ数年の平均である2倍以上に届かず、60%程度にとどまる見通し。特に12月は32社が集中し、個々の銘柄がより注目されにくくなったことで初値が公開価格を割り込むケースも珍しくなかった。

 市場再編前の駆け込み上場は22年1-3月も続くとみられる。通常1-2月はIPOが少なく、直近上場の銘柄、特に初値がそれほど高く決まらなかったものが改めて買われる傾向がある。しかし、22年は例年よりも個別物色の色合いが強まることで、各社のビジネスモデルや業績動向への評価がよりシビアに株価に反映されそうだ。

 一方、21年は例年ならば必ずある外食企業の新規上場がなかった一方、IT関連の中でもSaaS型サービスを提供する企業が目立った。これも新型コロナの影響と思われる。

 そのうちの一つで、ユニークなビジネスモデルを持つ銘柄に12月24日に登場したサスメド<4263.T>(情報通信)がある。同社は、医薬品、医療機器に次ぐ第3の治療法として注目度が高い「デジタル治療(DTx)」を開発する。収益面ではまだこれからだが、将来的には大化けが期待できる。

提供:モーニングスター社

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