来週の東京外国為替市場見通し=年明けに米12月雇用統計、引き締め方向ならドル買い
予想レンジ:1ドル=113円85銭-118円70銭
12月27-30日のドル・円は上昇した。週を通じ、クリスマスの振替休日や年末で市場参加者は限られた中、29日には1ドル=115円台に乗せ、11月26日以来約1カ月ぶりの高値水準を付けた。週初27日のドル・円は大幅に上昇、国内企業によるドル買い・円売りが観測された。28日はもみ合い。米国では新型コロナ「オミクロン株」の感染拡大が続いた一方、CDC(米疾病対策センター)が27日、感染者が無症状の場合に行動制限を短期化すると発表、経済への影響は限られるとの見方が浮上した。29日、「オミクロン株」は重症化のリスクが低いとの見方から、ドル・円は伸長した。30日は、1ドル=115円を挟みもみあった。
週明け(22年1月3-7日)は、週末7日に米12月雇用統計が発表される。労働力不足の状況が続いていることから、12月雇用統計は強い結果が予想される。FRB(米連邦準備制度理事会)のテーパリング(量的緩和の段階的縮小)や利上げを後押しする内容となれば、ドルが強含む可能性がある。5日には、12月14-15日に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事録が公開されることから内容を見極めたい。その他の米経済指標発表では、12月ISM製造業景況指数、12月ADP雇用統計、11月貿易収支、12月ISM非製造業景況指数などが発表される。
手掛かり材料が少なくなる中、オミクロン株関連のニュースには引き続き敏感に反応しそうだ。年末年始で人の移動が活発化すると考えられ、感染状況や重症化リスクに関する情報、ワクチンの有効性、経口薬の開発状況などには注目しておきたい。
ドル・円の目先の上値メドは21年11月高値の115円50銭近辺だが、この水準を突破すると、16年12月に付けた118円70銭近辺が視野に入る。下値メドは25日移動平均線が控える113円85銭近辺。
提供:モーニングスター社
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