石川製など小型防衛株に買い―ウクライナ情勢緊迫で「有事VIX」存在感!?

株式

2022/1/21 11:00

 全般相場が買い手掛かり難に沈む中で、石川製作所<6208.T>など小型防衛関連株の一角が買いを集めている。ロシアのウクライナ侵攻が現実味を帯び、いわゆる「有事VIX」としての存在感を取り戻しているようだ。

<北・ミサイルへの反応薄れるも…>

 防衛省が主要な顧客で、機雷を製造する石川製。火薬メーカーの細谷火工<4274.T>、小銃の豊和工業<6203.T>などとともに防衛関連株として市場で知られている。この日は日経平均株価が一時643円安に沈む中で、いずれも上昇して注目を集めた。

 ロシアはウクライナとの国境に軍の部隊約10万人を展開しているとみられ、一触即発の状況だ。米国のバイデン大統領は「(ロシアの)プーチン大統領が動く可能性がある」と記者会見で発言し、大規模な経済制裁を科す用意があることを警告した。

<過去には中東危機でも浮上>

 小型防衛株はかつて、北朝鮮による軍事挑発を受けて急騰するケースが多かったが、今年に入って既に4回あったミサイル発射に対する反応は薄かった。有事の際に値上がりする傾向を、恐怖指数のVIX指数になぞらえた有事VIXの位置付けが揺らぎつつあったが、ウクライナ情勢の緊迫化を背景に見直された格好だ。

 石川製の株価はこの日、一時前日比5.6%高の1426円まで上昇し、細谷火工も16.0%高となった。防衛株高の局面は、2017年の北朝鮮危機や、20年初にイラン革命防衛隊の司令官が米軍に殺害された際にも訪れている。関連銘柄はほかに、日本アビオニクス<6946.T>や東京計器<7721.T>などがある。

提供:モーニングスター社

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