米11月S&PコアロジックCS住宅価格指数、前年比18.8%上昇―3カ月連続で減速

経済

2022/1/26 10:37

<チェックポイント>

●20都市圏、前年比18.3%上昇―4カ月連続で減速

●フェニックス、前年比32.2%上昇―30カ月連続で上昇率トップ

●今後は21年春夏のような急激な価格上昇起きない―市場観測

 米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が25日に発表した米21年11月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(季節調整前)は、一戸建て中古住宅の価格動向を示す総合指数である全米住宅価格指数が前月比0.9%上昇の276.12と、10月の同0.8%上昇を上回った。一方、季節要因を無視できる前年比は18.8%上昇と、10月の19%上昇を下回り、伸びが3カ月連続で減速した。

 S&P500指数を運営している米S&Pダウジョーンズ・インデックスのマネージング・ディレクター兼指数管理担当責任者であるクレイグ・ラザラ氏は、「11月の全米住宅価格の前年比の伸びは34年間の統計の中で、過去5番目に高い伸びとなっているが、10月の伸びを下回り、伸びが連続で減速している」とし、住宅価格の伸びは減速に転換したとの認識を示している。

 市場が最も重視している主要20都市圏の価格指数(季節調整前)は前月比1.0%上昇の282.44と、10月(0.8%上昇)を上回ったが、前年比では18.3%上昇と、10月の18.5%上昇を下回り、4カ月連続で減速したが、市場予想の18.0%を上回った。

 都市別の前年比はフェニックスが32.2%上昇と、最も高い伸びを示し、30カ月連続でトップ。次いで、タンパの29.0%上昇、マイアミの26.6%上昇、ラスベガスの25.7%上昇、ダラスの25.0%上昇、サンディエゴの24.4%上昇となった。

 このほか、シアトルの23.3%上昇、シャーロットの22.9%上昇、アトランタの21.6%上昇、デンバーの20.1%上昇、大都市のロサンゼルスの19%上昇と、いずれも全国平均(18.8%上昇)を上回った。一方、サンフランシスコは18.2%上昇、ニューヨークは13.8%上昇だった。

 主要10都市圏の価格指数(季節調整前)は前月比0.9%上昇の294.45となり、10月(0.8%上昇)を上回ったが、前年比では16.8%上昇と、10月(17.2%上昇)を下回り、4カ月連続で減速した。

 市場では全米住宅価格指数で見た住宅価格は今後も在庫不足に大きな変化は起きないため、住宅ローン金利の上昇が見られるものの、依然需要は強く、前月比で上昇は続くとみている。しかし、21年の春と夏に見られたような急激な価格上昇は起きない可能性が高いと予想している。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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