<新興国eye>ハンガリー中銀、政策金利0.50ポイント引き上げ2.90%に―8会合連続利上げ

新興国

2022/1/26 10:43

 ハンガリー中央銀行は25日の金融理事会で、主要政策金利であるベース金利(準備預金への付利金利)を0.50ポイント引き上げ、2.90%とすることを決めた。市場予想通りだった。

 また、他の政策金利についても同率で引き上げ、ベース金利の上下幅(コリドー)の下限を示す翌日物預金金利を2.90%、上限を示す翌日物有担保貸出金利と7日物有担保貸出金利もそれぞれ4.90%とした。新金利は26日から適用される。

 中銀は21年、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の沈静化による経済活動の再開でインフレが加速し始めたことを受け、6月会合でベース金利だけを約10年ぶりに0.30ポイント引き上げ、他の金利は据え置いた。7月、8月、9月、10月と前回11月16日会合で、すべての政策金利を同率引き上げ、11月30日の緊急会合ではベース金利以外の金利を引き上げている。ベース金利の引き上げでは、これで8会合連続となり、利上げ幅も計2.30ポイントに達した。

 中銀は追加利上げを決めたことについて、「インフレ率は12月に前年比7.4%上昇(11月も7.4%上昇)、コアインフレ率は同6.4%上昇(11月は5.3%上昇)となった。インフレ率は12月にピークに近づいたと見られるが、予想よりも遅く減速し始める可能性がある。コアインフレ率は今後数カ月、さらに加速する」とした上で、前回会合時と同様、「堅調な労働市場が今後、力強い賃金の伸びとより高いインフレ環境と相まって、インフレ期待の高まりや第2ラウンドのインフレ加速リスクにつながる」と先行きに強い警戒感を示した。

 前回会合時の0.30ポイントの利上げ幅を上回ったことについては、「第2ラウンドのインフレリスクを軽減し、インフレ期待を適切にするため、前回(21年12月)よりも大幅な金利引き締めサイクルを継続する必要があった。その結果、ベース金利は、今後数カ月で1週間の預金金利に徐々に追いつく見通し」としている。

 金融政策の見通しについては、前回会合時と同様、「今後、インフレ率が持続的に物価目標(3%上昇)の水準で安定し、インフレ見通しの上ブレ・下ブレの両リスクが金融政策のタイム・ホライズン(時間軸)で均衡するまで利上げサイクルを続ける」とし、利上げ継続の可能性を示した。

 景気見通しについては、「21年GDP(国内総生産)前年比が6.3-6.5%増の見通しを超えた可能性がある」とした上で、「22年は4-5%増」と予想し、従来見通しを据え置いた。

 次回の金融政策決定会合は2月22日に開かれる予定。

<関連銘柄>

 上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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