<相場の読み筋>3月9日

2022/3/9 7:45

 8日の米国株式は、4日続落した。NYダウが前日比184.74ドル安の3万2632.64ドル、ナスダック総合指数が同35.411ポイント安の1万2795.551ポイントで取引を終了。出来高概算は、NY市場が15億2354万株、ナスダック市場が63億5591万株だった。米政府は8日、ロシアからの石油や天然ガスの輸入を禁止すると発表。事前に予想されていたため、発表後にNYダウは一時、580ドル以上値上がりする場面がみられた。ただ、今回の措置で世界的な原油需給のひっ迫が懸念され、NY原油先物WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)が3日続急伸。インフレへの警戒感が強まり、一転して下げに転じた。NYダウ採用銘柄では、コカ・コーラ<KO>やプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)<PG>、ユナイテッドヘルス<UNH>などが、値下がり率の上位に入っている。

 9日の東京株式は、不安定な値動きが見込まれる。日経平均株価は足元で3日続落し、この間に1800円近い下げとなった。終値ベースで心理的なフシ目の2万5000円を割り込んだこともあり、短期的な戻りを狙った買いが期待されるものの、原油価格高騰による景気への影響が警戒され、上値の重い展開が見込まれる。また、きのう8日引け後、内閣府が発表した2月景気ウォッチャー調査では、景気の現状判断DIは季節調整済みで37.7となり、2カ月連続で低下したことも重しとなりそう。為替相場は、ドル・円が1ドル=115円台の半ば(8日は115円44-46銭)と小動きの一方、ユーロ・円が1ユーロ=126円台の前半(同125円37-41銭)と円安方向に振れている。

 8日のADR(米国預託証券)は円換算値で、高安まちまちながら、コマツ<6301.T>、富士通<6702.T>、オリンパス<7733.T>などが、8日の東京終値に比べ高い。シカゴ日経平均先物の円建て清算値は、大阪取引所清算値比115円高の2万4805円だった。

(イメージ写真提供:123RF)

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