<新興国eye>カンボジア22年1-3月期輸出、前年比25.7%増
2022/4/28 11:52
カンボジア経済財政省の関税消費税総局の発表によりますと、22年1-3月期(第1四半期)のカンボジアからの輸出は、対前年同期比25.7%増の57億1682万ドル(約7320億円)に達したとのことです。輸入は、0.9%減の74億4591万ドル(約9530億円)でした。
輸出先を国別にみると、1位は米国で対前年同期比43.7%増の21億5003万ドル(約2750億円)で、全体シェアの37.6%を占めています。2位はベトナムで3.9%増の7億5881万ドル(シェア13.3%)、3位は中国で3.5%減の3億2179万ドル(シェア5.6%)、4位はタイで28.0%増の3億1817万ドル(シェア5.6%)、5位は日本で3.5%増の3億555万ドル(シェア5.3%)などとなっています。
輸入先は、第1位は中国で対前年同期比36.1%増の25億5164万ドル(シェア34.3%)、2位はベトナムで22.7%増の9億6333万ドル(シェア12.9%)、3位はシンガポールで61.6%減の9億3122万ドル(シェア12.5%)、4位はタイで12.0%増の8億5665万ドル(シェア11.5%)などとなっています。
品目別輸出では、縫製品が対前年同期比24.8%増の31億5500万ドル、縫製以外の工業製品が38.6%増の12億1300万ドル、農産品が10.6%増の11億2300万ドルなどとなっています。
カンボジアの輸出産業は、新型コロナの影響から予想よりも早く回復しつつあります。主要輸出先の米国・欧州の景気回復やRCEP(地域的包括的経済連携協定)などの自由貿易協定の効果が出ているものと見られます。
他方、中国との貿易では、カンボジアからの輸出は減少し、カンボジアへの輸入は大幅増加しています。22年1月に発効した中国との自由貿易協定の効果は、現状ではカンボジア側には大きくなかったものと見られ、中国だけが得をしている形です。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin-Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
◎当該記事は外部執筆者により作成されたものです。記事は執筆者が信頼できると判断したデータなどにより作成いたしましたが、その正確性などについて保証するものではありません。
提供:モーニングスター社
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