<新興国eye>日本・カンボジア首脳会談、熊本で開催

新興国

2022/5/6 11:53

 4月23日、「第4回アジア・太平洋水サミット」出席のため熊本市を訪問中のフン・セン首相と岸田文雄内閣総理大臣は、首脳会談を行いました。岸田首相は、3月にカンボジアを訪問し、フン・セン首相と会談しています。

 今回の会談では、今後の日・カンボジア関係について意見交換しました。岸田首相からは、安全保障分野での協力の深化に向け、山崎統合幕僚長がカンボジアを訪問すると伝えました。

 また、水分野では水サミットで示した「熊本水イニシアティブ」や今回閣僚間で署名した「水及び気象分野に関する協力覚書」を踏まえて協力を深めていきたいと述べました。これに対し、フン・セン首相は、山崎統合幕僚長の訪問を歓迎すると述べるとともに、水分野におけるこれまでの日本の貢献への謝意表明がありました。

 他方、岸田首相は6月にカンボジアで行われる地方選挙をめぐる情勢に関心を示し、与野党間で活発な議論が行われ、国民の多様な声を反映した形で同選挙が実施されることを期待すると述べました。

 ウクライナ情勢について、岸田首相は、3月下旬に国連総会で採択されたウクライナの人道状況に関する決議でカンボジアが共同提案国入りしたことを高く評価するとともに、力による一方的な現状変更の試みは、アジアを含め世界中どこであっても絶対に許されないと述べました。これに対し、フン・セン首相は、多くの市民の命が奪われることはあってはならないと述べ、両首脳は、ウクライナ情勢について引き続き連携していくことで一致したとのことです。

 その他の地域情勢についても意見を交わし、ミャンマー情勢、南シナ海問題や北朝鮮の拉致・核・ミサイル問題を含む地域・国際情勢への対応において一層緊密に連携していくことで一致したとしています。

【筆者:鈴木博】

1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin-Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。

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提供:モーニングスター社

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