米4月新築住宅販売件数、前月比16.6%減の59.1万戸―市場予想大きく下回る
2022/5/25 9:23
<チェックポイント>
●全地区で販売件数減少―金利上昇と価格高騰が販売を抑制
●住宅価格は前年比19.6%上昇の45万600ドル―過去最高を更新
●住宅在庫は前月比8.3%増の44.4万戸―販売低迷で4カ月連続増加
米商務省が24日発表した4月新築住宅販売件数(季節調整済み)は前月比16.6%減の年率換算59万1000戸と、3月の同10.5%減(改定前は8.6%減)に続き、4カ月連続で減少し、20年4月の58万2000戸以来2年ぶりの低水準となった。市場予想の75万戸に対しても大幅に下回った。前年比は26.9%減となり、11カ月連続で前年水準を下回った。
また、過去3カ月(1-3月)の販売件数は大幅に下方改定された。3月は前回発表時の76万3000戸から70万9000戸、2月も83万5000戸から79万2000戸、1月も84万5000戸から83万1000戸となり、計11万1000戸の下方改定となった。
4月販売件数の内訳は、着工前時点での販売件数(バックログ)が前月比2.2%増の18万5000戸と、2カ月連続で増加した1月(21万2000戸)以来3カ月ぶりの高水準となった。他方、建築中の新築住宅の販売件数は同30.0%減の24万2000戸と、4カ月連続で減少。20年4月の22万2000戸以来2年ぶりの低水準となった。完成住宅の販売件数は同10.0%減の16万4000戸と、21年8月の15万9000戸以来8カ月ぶりの低水準。住宅ローン金利の急上昇と住宅価格の高騰が影響した。
住宅価格は中央値(季節調整前)で、前月比3.6%上昇の45万600ドルと、2カ月連続で急伸し、過去最高値を更新。前年比では19.6%(7万4000ドル)上昇となった。販売価格帯を見ると、40万ドル以上の高額物件の販売比率が64%と、3月の55%から上昇した一方で、40万ドル未満の手ごろ物件の比率は3月の44%から36%に低下(30万ドル未満では13%から10%に低下)し、より高額物件にシフトした。市場では、建築コスト高を反映し、手ごろ物件の供給不足が続いていると見ている。
地域別販売件数は、全体の50%超を占める南部が前月比19.8%減(前年比36.6%減)の30万7000戸、南部に次いで多い西部が同13.8%減(同12.4%減)の16万3000戸と、いずれも4カ月連続で減少し、全体を押し下げた。中西部は同15.1%減(同25.5%減)の7万3000戸、北東部は同5.9%減(同17.1%増)の4万8000戸となり、全地区で減少した。
住宅供給(在庫)をみると、4月の新築住宅在庫(着工前や建築中の住宅も含む。季節調整値)は前月比8.3%増(前年比40.1%増)の44万4000戸と、4カ月連続で増加。08年5月の45万1000戸以来約14年ぶりの高水準となった。販売低迷で在庫が急増したと見られている。これを4月の販売ペースで計算した新築住宅の在庫水準は9カ月相当と、3月の6.9カ月相当から4カ月連続で上昇し、1年前の4.7カ月相当を大幅に上回った。
ただ、在庫が増加基調とはいえ、住宅在庫のうち、すぐに販売できる完成戸数は在庫全体の8.6%(3万8000戸)と少なく、未着工件数も11万8000戸と、全体の26.6%で、依然、供給不足感が強い。在庫全体では住宅バブル期の在庫水準(45万戸)に迫ったが、フレディマックの最新調査によると、現在の住宅取得需要は強く、需要を満たすためには住宅供給は最大400万戸不足していると試算されている。
市場では今後の見通しについて、FRB(米連邦準備制度理事会)が3月から金融引き締め(利上げ)サイクルに転換し、5月に続いて6月も同率の0.50ポイントの大幅利上げが予想されているため、住宅ローン金利の急加速により、住宅購入者のアフォーダビリティ(住宅取得能力)が一段と低下することや、新築購入を断念し、住宅リフォームに走りやすくなることに加え、建築資材不足や労働者不足、建築コストの上昇により、手ごろな価格帯の住宅供給が困難となるなど、新築市場には逆風が吹き続けると見ている。
<関連銘柄>
NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、
SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、
NYダウベア<2041.T>
提供:モーニングスター社
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