<新興国eye>トルコ6月CPI、前年比78.62%上昇に加速―24年ぶり高い伸び

新興国

2022/7/5 9:31

 トルコ統計局が4日に発表した6月CPI(消費者物価指数、03年=100)は、前年比78.62%上昇と前月の73.5%上昇を上回り、98年9月の80.4%上昇以来、約24年ぶりの高い伸びとなった。21年7月以降、13カ月連続で伸びが加速している。市場予想は78.8%前後だった。

 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻とそれに伴う西側諸国の対ロ経済制裁により、エネルギー価格が高騰。中銀の利下げに伴う通貨トルコリラの急落が加わり、インフレ率が急加速している。

 セクター別の前年比は、運輸が123.37%上昇(前月は107.62%上昇)と、最も高い伸びとなった。次いで、食品・清涼飲料水が93.93%上昇(同91.63%上昇)、家具・生活用品は81.14%上昇(同82.08%上昇)、ホテル・カフェ・レストランが79.55%上昇(同76.83%上昇)となり、全体の伸びを上回った。

 このほか、住宅(光熱費や修理費)の75.09%上昇(同63.51%上昇)、アルコール飲料・たばこの70.99%上昇(同66.62%上昇)、どのカテゴリーにも入らないその他商品・サービスの63.67%上昇(同60.96%上昇)。対照的に、通信は23.74%上昇(同19.81%上昇)と、最も低い伸びとなった。

 全体指数から値動きの激しい食品やエネルギーなどを除いたコアCPIは前年比57.26%上昇と、前月の56.04%上昇や4月の52.37%上昇を上回り、8カ月連続で伸びが加速した。

 前月比は4.95%上昇と、5月の2.98%上昇を上回り、4月の7.25%上昇以来の高い伸となった。前月は物価上昇圧力が低下し始めたと見られていたが、6月は再び加速した。

 セクター別(前月比)では、運輸が10.59%上昇ともっとも高く、次いで住宅(光熱費や修理費)が8.34%上昇、ホテル・カフェ・レストランが5.42%上昇となり、全体の伸びを上回った。

 このほか、どのカテゴリーにも入らないその他商品・サービスは4.42%上昇、家具・生活用品は3.96%上昇、通信は3.64%上昇、アルコール飲料・たばこは2.61%上昇、教育は2.43%上昇、食品・清涼飲料水は2.09%上昇、レクリエーション・文化は2.02%上昇、ヘルス(薬局・美容)は1.97%上昇。もっとも低い伸びとなったのは、アパレル・靴の0.18%上昇だった。

 トルコ中銀は4月28日に発表した最新の四半期インフレ報告書で、22年末時点のインフレ見通しを42.8%上昇、23年末時点の見通しは12.9%上昇、24年末時点も8.2%上昇と予想している。しかし、市場では22年末時点で63.5-69.5%上昇と、中銀より高めに予想している。

 なお、政府が21年9月6日に発表した22-24年の新中期3カ年経済計画で、インフレ率の見通しは22年末時点で9.8%上昇、23年末時点で8%上昇、24年末時点で7.6%上昇と予想している。

<関連銘柄>

 上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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