日経平均は26円高と小幅続伸、安倍元首相銃撃で上げ幅縮小、ETF分配金捻出売りも重し=8日後場

 8日後場の日経平均株価は前日比26円66銭高の2万6517円19銭と小幅続伸。朝方は、7日の欧米株高を受け、買いが先行した。中国の政策期待も支えとなり、前場終盤には2万6881円75銭(前日比391円22銭高)まで上昇する場面があった。後場は、上げ幅を大きく縮小した。昼休みの時間帯に、安倍晋三元首相が奈良市内での演説中に銃撃され、心肺停止状態と伝わり、先物に売りが広がったことを受け、急速に伸び悩んだ。指数連動型ETF(上場投資信託)の分配金捻出売りも観測され、大引け間際には2万6510円53銭(同20円00銭高)まで押し戻された。

 なお、この日算出の日経平均先物ミニ・オプション7月限SQ(特別清算指数)値は2万6659円58銭。東証プライムの出来高は14億6687万株、売買代金は3兆6022億円。騰落銘柄数は値上がり903銘柄、値下がり868銘柄、変わらず67銘柄。

 市場からは「安倍氏銃撃事件の初期反応は先物主体で大きく変動したが、SQ通過とともに指数連動型ETFの分配金捻出売りを終えれば、需給面でアク抜けとなる。ただ、今晩の米6月雇用統計、来週の米6月消費者物価など重要経済指標を控えており、結果にらみの展開に変わりはない」(準大手証券)との声が聞かれた。

 業種別では、商船三井<9104.T>、川崎汽<9107.T>、郵船<9101.T>などの海運株が上昇。INPEX<1605.T>、石油資源<1662.T>などの鉱業株も高い。住友鉱<5713.T>、大阪チタ<5726.T>、邦チタ<5727.T>などの非鉄金属株や、日本製鉄<5401.T>、JFE<5411.T>、神戸鋼<5406.T>などの鉄鋼株も堅調。関西電力<9503.T>、東ガス<9531.T>などの電気ガス株や、三菱重工<7011.T>、日立建機<6305.T>、クボタ<6326.T>などの機械株も値を上げた。JAL<9201.T>、ANA<9202.T>などの空運株も引き締まった。三菱UFJ<8306.T>、三井住友<8316.T>、りそなHD<8308.T>などの銀行株や、三菱商<8058.T>、三井物産<8031.T>、丸紅<8002.T>などの卸売株も買われた。

 半面、味の素<2802.T>、キユーピー<2809.T>、山崎パン<2212.T>などの食料品株が軟調。第一三共<4568.T>、大塚HD<4578.T>、協和キリン<4151.T>などの医薬品株も安い。KDDI<9433.T>、ソフトバンク<9434.T>などの情報通信株や、任天堂<7974.T>、ヤマハ<7951.T>などのその他製品株も値を下げた。日水<1332.T>、マルハニチロ<1333.T>などの水産農林株もさえない。

 個別では、UNEXTH<9418.T>、リブセンス<6054.T>、スノーピーク<7816.T>、ギフティ<4449.T>、MSOL<7033.T>などの上げが目立った。半面、Wスコープ<6619.T>、SHIFT<3697.T>、オンワードH<8016.T>、4CHD<8008.T>、アスクル<2678.T>などの下げが目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、20業種が上昇した。

(写真:123RF)

提供:モーニングスター社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ