ソーバル・推津敦社長インタビュー:開発ニーズ大きく好業績期待

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2022/7/13 9:00

 ソーバル(2186)はWEB/アプリケーションの受託開発や、組み込みソフト開発のエンジニア派遣などの事業を展開している。近年は自動運転を中心とした受託開発のニーズが拡大中。今後は特にAI(人工知能)に注力し、成長性強化を目指す。同社の現状と今後について推津敦社長=写真=に聞いた。

 ――今2月期の第1四半期決算は連結売上高20億8800万円(前年同期比2.2%増)、営業利益2億1600万円(同28.0%増)と好調でした。

 「新型コロナウイルスの影響はほとんどなく、顧客企業の開発ニーズは旺盛です。一方、業界全体でエンジニア不足の状態が続いており、当社のエンジニアもほぼフル稼働となっています。当社は組み込みソフト開発の独立系企業として発展してきた経緯があり、新規採用に力を入れ、毎期50人程度を採用して自社で育成し、増加するニーズに対応しています。ただ、それだけでは対応し切れず、ビジネスパートナーをいかに増やすかということも重要になっています。エンジニア強化、企業基盤の拡充を目的に、今後のM&A(企業の合併・買収)も視野に入れています。通期業績予想は期初に売上高84億2000万円(前期比3.1%増)、営業利益6億3000万円(同4.4%増)と発表していますが、デジタルハーツホールディングス(=デジハHD、3676)の連結子会社AGESTに会社分割の方法で品質評価事業を承継させるため、現在、改めて計算中です」

 ――AGESTのことについて教えてください。

 「当社は品質評価事業において、開発中の試作品について不具合や仕様誤りのプログラムレベルの評価・検証、生産前の製品の品質評価など、評価サービスを提供していました。しかし、2021年12月に公表した中期経営計画で、AIなど新技術領域に経営リソースを集中する方針を打ち出したことから、同事業を以前から取引のあったデジハHDの子会社のAGESTに承継させるとともに、AGESTと事業提携しました。今後は当社が開発領域、AGESTが品質評価領域を担当し、顧客の相互紹介、連携営業を実施し、それぞれの事業の拡大を目指していきます」

AIに注力し将来の成長性強化

 ――中期経営計画について教えてください。

 「当社は前期で創業40周年を迎えました。それを機に、社内で検討チームを立ち上げ、『技術で社会に貢献する』を改めてミッションに掲げ、人間力と先端技術で企業成長をドライブするような、当社が目指すべき目標や価値観を再定義しました。さらに、WEB/アプリケーション、業務系システム、組み込みソフトウエア開発など既存事業の拡大を図るとともに、AI関連を成長の柱としてより注力していきます。大手システムインテグレーターが手を出さない規模の案件も含めてエンドユーザーとの直接取引の増加にも努めます。AGESTの件があり、これから見直しますが、現状では5年後の売上高100億円が目標です。中でも、AI関連については前期の売上高が1億円程度でしたが、27年2月期には10億円規模へと急拡大を目指します」

 ――AI関連にはどう取り組みますか。

 「現状ではAIは自動運転関連としてかかわることが多いですが、エンジニアの会社として取り組まなければいけない最先端の分野だと思っています。現在、社内で教育体制を構築し、AI関連技術者の育成に力を入れています。ただ、現段階では顧客企業もまだAIをいかにして活用するか不明りょうな部分があり、これから本格的に拡大していく分野だと考えています。こうした中で、AIを活用するため、データを持つ会社との協業を進めるとともに、当社から顧客企業に対しAIの活用策を提案していくつもりです」

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