日経平均は173円高と4連騰、大幅利上げ観測後退で景気敏感業種に買い=19日後場
19日後場の日経平均株価は前週末比173円21銭高の2万6961円68銭となり、4営業日続伸で取引を終えた。連休中の指数先物の上昇を受けた買いが朝方から優勢となり、前場に失速する場面もあったがすぐに持ち直した。午前10時51分に上げ幅を255円まで広げ、2万7043円58銭とおよそ1週間ぶりの水準を回復。後場は2万7000円どころに頭を押さえられる展開が続いた。時間外取引の米株価指数先物が横ばいの動きとなる中で、為替はじりじりと円高が進んで1ドル=138円を割り込んだ。東証プライムの出来高は9億7242万株で売買代金は2兆4278億6700万円。騰落銘柄数は値上がり1161銘柄、値下がり617銘柄、変わらずが60銘柄だった。
米国の大幅な追加利上げ観測の後退を背景に、リスク回避姿勢がいくぶん和らいでいる。ただ、市場では「日経平均2万7000円より上を買い進む材料は見当たらない。一方で、インフレ懸念が沈静化する確信を市場は持てず、景気と米国株をめぐる警戒感は根強く残っている」(みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリスト)と慎重な声が聞かれた。
業種別では原油相場の上昇を受けてINPEX<1605.T>、石油資源開発<1662.T>などの鉱業株が値上がりしたほか、景気敏感の海運株も川崎汽船<9107.T>を筆頭に高い。このほか、ブリヂストン<5108.T>や住友ゴム工業<5110.T>といったゴム製品、大阪チタニウムテクノロジーズ<5726.T>、住友金属鉱山<5713.T>などの非鉄金属株も堅調だ。半面、ディフェンシブの電力・ガス、医薬品、食品は値を消した銘柄が多かった。東証業種別指数は全33業種のうち、22業種が上昇、11業種が下落した。
個別では好決算のベクトル<6058.T>がストップ高したほか、北の達人コーポレーション<2930.T>や日本国土開発<1887.T>などが大幅高。イオンファンタジー<4343.T>は月次売上や証券会社の目標株価引き上げを手掛かりに年初来高値を更新した。主力銘柄ではソニーグループ<6758.T>、トヨタ自動車<7203.T>、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>もしっかり。一方、レノバ<9519.T>やイーレックス<9517.T>といった再生可能エネルギー関連の一角の下げがきつかった。
提供:モーニングスター社
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