<米国株情報>AMD、第2四半期好決算も通期見通し据え置きを嫌気し、株価下落

株式

2022/8/4 9:33

 半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイシズが2日引け後に発表した22年12月期第2四半期(4-6月)決算は、純利益が前年比37%減の4億4700万ドル、1株当たり利益(EPS、希薄化後)も同53%減の27セントとなった。ただ、調整後利益は同約2倍(119%増)の17億0700万ドル、調整後EPSも同67%増の1.05ドルとなり、市場予想(1.03ドル)を上回った。

 調整前で純利益が大幅減益となったのは、主に、22年2月に総額350億ドルの買収が完了したプログラマブルロジックデバイス「FPGA」の開発で知られる半導体大手ザイリンクスなどの買収関連費用(無形資産の減価償却費)6億1600万ドルを計上し、営業利益が前年比37%減の5億2600万ドルとなったため。

 売上高は前年比70%増の65億5000万ドルとなり、これも市場予想(65億3000万ドル)を上回った。売上高にはザイリンクスの売上が計上されている。

 事業部門別の売上(ザイリンクス部門含む)では、ソニーの「プレイステーション」などビデオゲーム機器向けセミカスタム半導体を含むゲーミング事業は前年比32%増の16億5500万ドル、企業向けクラウド・サーバー半導体(EESC)を含むデータセンター事業は同83%増の14億8600万ドルと、好調となった。

 PC向けコンピューティング・グラフィクス用半導体を含むクライエント事業は同25%増の21億5200万ドルと、コロナ禍で盛り上がったPC需要が2年ぶりに低迷する中で、堅調となり、市場の半導体需要の減少懸念を払しょくした。ただ、同社のリサ・スーCEO(最高経営責任者)は、「PC用半導体事業は今後、1ケタ台半ば(4-6%)の下落が予想される」としている。ネットワーク用や自動車搭載用の半導体を含むエンベッデド事業は同23倍(2238%増)の12億5700万ドルとなった。

 今期(7-9月期)の業績見通しは、売上高を67億ドル(レンジは65億-69億ドル)と予想し、市場予想(68億4000万ドル)を下回った。22年12月期(通期)では売上高を同60%増の263億ドル(レンジは260億-266億ドル)と予想し、従来見通しを据え置いた。

 これを受けて、同社の株価は2日の時間外取引で、一時2日終値比7%近く急落。3日は売りが先行したものの下げ渋り、前日終値比1.21%安の98.09ドルとなり反落した。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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