日経平均は789円安と3日ぶり大幅反落、米金融引き締め継続警戒で売り優勢=29日前場

 29日前場の日経平均株価は前週末比789円70銭安の2万7851円68銭と3営業日ぶりに大幅反落。取引時間中に心理的なフシ目となる2万8000円を割り込むのは10日(安値2万7729円46銭)以来約3週間ぶり。朝方は、リスク回避の売りが先行した。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が講演で、金融引き締めを継続する姿勢を強調し、前週末の米国株式が急落した流れを受け、投資家心理が悪化した。時間外取引での米株価指数先物の下げも重しとなり、日経平均は下げ幅を拡大し、一時2万7788円12銭(前週末比853円26銭安)まで下落した。その後の戻りは鈍く、安値圏で推移した。

 東証プライムの出来高は5億7491万株、売買代金は1兆3725億円。騰落銘柄数は値上がり109銘柄、値下がり1690銘柄、変わらず38銘柄。

 市場からは「米利上げ長期化、景気後退懸念で激しく反応しているが、今後のデータ次第で落ち着くこともあり得る。売りは長続きするとは思えず、日経平均2万8000円割れは格好の買い場とみている」(中堅証券)との声が聞かれた。

 業種別では、テルモ<4543.T>、オリンパス<7733.T>、HOYA<7741.T>などの精密株が下落。ダイキン<6367.T>、クボタ<6326.T>、コマツ<6301.T>などの機械株も安い。エムスリー<2413.T>、リクルートHD<6098.T>、楽天グループ<4755.T>などのサービス株や、東エレク<8035.T>、ファナック<6954.T>、アドバンテスト<6857.T>などの電機株も売られた。SUMCO<3436.T>、LIXIL<5938.T>などの金属製品株も軟調。

 半面、コスモエネH<5021.T>、出光興産<5019.T>などの石油石炭製品株がしっかり。鉱業株では、日鉄鉱<1515.T>が高い。

 個別では、SREHD<2980.T>、サーバーW<4434.T>、メルカリ<4385.T>、プロネクサス<7893.T>などの下げが目立った。クロスキャット<2307.T>、新田ゼラチン<4977.T>、ファイズHD<9325.T>、日産東HD<8291.T>などの上げが目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、31業種が下落した。

提供:モーニングスター社

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