東レ、現状で大部分を廃棄しているリチウムを回収可能な新規ナノろ過膜を創出

株式

2022/8/30 15:52

 東レ<3402.T>は29日、今後大量発生が見込まれる車載用の使用済みリチウムイオン電池から、現状では大部分を廃棄しているリチウムを回収可能な、新規ナノろ過(NF)膜を創出したと発表した。

 NF膜は、溶解している多価イオンや有機物を選択的に分離する特徴を有し、地下水や河川水から硬度成分や農薬を除去する用途のほか、食品・バイオ用途での脱塩・精製などに用いられている。今回同社では、DX(デジタルトランスフォーメーション)技術の活用で、酸による膜の性能劣化メカニズムと選択分離に最適な膜の細孔構造を解析したうえで、有機合成化学/高分子化学/ナノテクノロジーを駆使し、強固な耐酸性構造と1nm以下の精密な細孔構造を兼ね備える架橋高分子膜の創出に成功した。従来品比約5倍の耐酸性と約1.5倍のイオン選択分離性を実現。それにより、有価金属を効率的に回収でき、現状では大部分を廃棄しているリチウムを、高純度かつ高収率で回収することが可能となったという。

 30日の終値は、前日比13.3円高の804.7円。

提供:モーニングスター社

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