【為替本日の注目点】ユーロドル20年ぶりに0.98台後半まで下落

為替

サーチナ

2022/9/6 10:44

 NY市場が「レーバーデー」のため休場だったこともあり、ドル円は140円台半ばを中心に小動き。ユーロドルは続落。東京時間午後3時頃には0.9880まで下げ、2002年12月以来となるユーロ安を記録。

マーケット情報

ドル/円 140.37 ~ 140.67

ユーロ/ドル 0.9904 ~ 0.9949

ユーロ/円 139.18 ~ 139.64

NYダウ ------ → 31,318.44ドル

GOLD +2.24 → 1,712.80ドル

WTI +2.28 → 89.15ドル

米10年国債 ------ → 3.189%

本日の注目イベント

豪 4-6月期経常収支

豪 RBA、キャッシュターゲット

独 7月製造業新規受注

米 8月ISM非製造業景況指数

米 8月S&Pグローバルサービス業PMI(改定値)

米 8月S&Pグローバル総合PMI(改定値)

米 中間選挙予備選(マサチューセッツ州)

 NY市場が休みのためドル円は140円台半ばを中心に小動きでしたが、ユーロドルは下げが加速し、欧州勢が参入した午後3時前後には0.99台を割りこみ、0.9880までユーロ安が進みました。ロシアの国営天然ガス企業ガスプロムが、欧州向けにガスを供給するパイプライン「ノルドストリーム」の稼働を当初の予定通り再開できないと発表したことから、ドイツなど欧州主要国のエネルギー不足が懸念され、インフレの高進と景気後退が同時進行する「スタグフレーション」の可能性が台頭。ユーロ売りにつながりました。ユーロドルは2002年12月以来となる安値に沈みましたが、ドル円の140円台後半も1998年8月以来ということで、「ドル全面高」の様相がさらに加速しています。

 エネルギーに関わるニュースはもう一つあります。OPECと非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」は、10月の生産量を日量10万バレル削減し、8月の生産量に戻すことを発表しました。「OPECプラス」は、世界的な景気減速から原油価格が過去3カ月に20%下落したことを受け、「相場の安定を図る」という観点から減産を決めたとしています。また、市場の動きに対応するため必要となれば、臨時の閣僚会議を開催する考えも強調しており、次回会合は10月5日に予定されています。(ブルームバーグ)

 この発表を受けて、WTI原油先物価格は急伸し10月限は、1バレル当たり90ドル付近まで上昇しています。先週末の引け値は86.87ドルでした。

 イギリスの次期首相に事前予想通り、ジョンソン政権で外相を務めたトラス氏に決まりました。与党・保守党の決選投票を経てトラス氏がサッチャー、メイ両氏に次ぎ、英国史上3人目の女性首相になります。トラス氏は当選後、「私は保守党員として選挙戦を戦った。そして保守党員として政府を運営していく。今後2年間に政策実行力があることを示す必要がある。減税と経済成長のため思い切った計画を実行する」と述べています。イギリスでも高インフレが進んでおり、経済は厳しい逆風に直面しています。先ずは早期に減税を実施し、景気立て直しに注力するようですが、一方で、今回のロシア・ウクライナの戦争では、米国に次ぎウクライナに肩入れしていますが、この路線は継承されるとみられます。ロシアに対してはさらに強硬な姿勢を見せるとの指摘もありますが、「第2の鉄の女」になれるのか、お手並み拝見といったところです。

 本日は午後1時半にオーストラリア準備銀行(RBA)がキャッシュレートの引き上げを決めると予想されています。現行の「1.85%」から0.5ポイントの利上が見込まれています。オーストラリアの消費者物価指数(CPI)は4-6月期に「6.1%」と、RBAの2-3%の目標レンジ上限の2倍となっており、雇用も順調なことから0.5ポイントの利上げが見込まれています。実現すれば、4会合連続の0.5ポイント利上げとなります。

 本日は連休明けのNY勢が戻ってきます。ドル円は引き続き底堅い動きを見せていますが、今後も米経済指標の結果と要人発言に振らされる展開となるのでしょう。ドル円のレンジは139円50銭~141円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)

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・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

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