【深センIPO】精密機器部品メーカーの捷邦精密科技が7日に公募開始、1810万株発行予定
深セン証券取引所の創業板への新規上場を目指している、捷邦精密科技(301326/深セン)が9月7日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1810万株を発行予定で、公募価格は6日に発表する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
同社は2007年設立の民営企業で、20年に株式会社化して現社名となった。精密機器の機能部品、構造部品の設計、開発、生産を主業務としている。製品は主にタブレット型パソコン、ノートパソコン、一体型パソコン、スマート家具、3Dプリンター、ドローンなどのコンシューマー電子製品分野に広く利用されている。また、リチウムイオン電池分野に利用される、力学的性能や導電性に優れた炭素ナノチューブ製品などの新材料分野の事業も手掛けている。優れた品質や充実したカスタマーサービス体系、クイックレスポンス力の高さを活かしソニー、グーグル、ソノスなどの著名端末ブランドの適格サプライヤー認証を取得した。直接の顧客は富士康、BYD、フレックス、藍思科技などとなっている。21年12月期の売上構成は、精密機能部品・構造部品が97.39%、炭素ナノチューブが2.61%。
IDCによれば、世界のタブレット型パソコン出荷台数は2014年の2億3000万台をピークに、19年には1億4400万台まで落ち込んだ。タブレット端末がある程度普及したこと、スマートフォンの画面の大型化、ノートパソコンの携帯性向上といった要因が背景にあるが、20年に新型コロナの感染が拡大すると、オンライン教育などのニーズが拡大し、出荷台数は1億6400万台にまで回復、21年も1億6900万台と2年連続で回復した。飲食店業界のペーパーレス化、店舗での展示といった新たニーズも生まれており、タブレット端末はなおも大きな成長のチャンスを持っている。また、ノートパソコンの世界出荷台数も、14年から19年にかけて1億7000万台前後で停滞していたが、20年には2億2700万台、21年には2億6800万台と伸びている。
さらに、スマート家具の世界市場規模も2017年の398億ドルから21年には1044億ドルまで成長、26年にはほぼ倍の2078億ドルにまで拡大することが見込みで、ドローンも農業、物流、インフラ点検、気象観測など用途の広がりとともに市場が拡大しており、同社にとっての川下産業はいずれも明るい見通しを持っていると言えそうだ。
同社は高い研究開発力と技術力、カスタマイズ力を持つこと、著名なブランドのサプライチェーンに採用されており、各ブランドの新製品に同社製品が多く用いられていること、完全かつ有効な生産品質マネジメントシステムを構築していること、設計開発から材料や型式選択の検証、金型の設計、試作、量産に至るまでと一連のサービスを提供可能であること、などを強みとする一方で、資金調達力の弱さ、生産能力の少なさがボトルネックとなっていた。
また、売上の大部分が少数の顧客に集中しており、特に最大の顧客である富士康向けの売上比率が40%近いため、富士康との関係に変化が生じた場合に売上と利益が大きく減少する可能性があること、川下業界および精密機器部品業界の競争がそれぞれ激しくなっていることに加え、原材料価格の上昇による粗利率の低下といった経営上のリスクが存在する。
2021年12月期の売上高は10億123万元(前期比16.88%増)、純利益は8964万元(同29.69%増)。22年1〜6月期の売上高は4億6709万元(前年同期比2.49%減)、親会社株主に帰属する純利益は4185万元(同17.05%減)。(編集担当:今関忠馬)(写真:123RF)
関連記事
-
アドベンチャーが続伸、アジア圏での海外子会社設立を材料視
2022/9/8 9:06
アドベンチャーが続伸し、一時560円高の1万1560円を付けている。7日引け後、アジア圏において海外子会社を設立することを決議したと発表、材料視された。 アジア圏における海外拠点の第・・・…続き
-
日経平均が大幅反発スタート、きのうの下げ渋りや米国株高で買い優勢=8日寄り付き
8日の日経平均株価は、前日比302円38銭高の2万7732円68銭と大幅に反発してスタート。きのう7日に下げ渋る動きをみせていたことや、現地7日の米国株式が反発した動きを受け、買いが優勢となったもよ・・・…続き
-
フェローテク、東海東京証が「ニュートラル」に格下げ
2022/9/8 9:02
東海東京証券が7日付でフェローテックホールディングスを強気の「アウトパフォーム」から中立の「ニュートラル」に格下げ。目標株価を3500円(従来3600円)に。半導体製造装置と消耗材の・・・…続き
-
JTOWER、岡三証は目標株価引き上げ
2022/9/8 9:02
岡三証券は7日付でJTOWERのレーティングについて「強気」を継続し、目標株価を8000円から9000円に引き上げた。事業環境は極めて良好とみる。提供:モーニングスター社…続き
-
デンソー、野村証が「Buy」でカバレッジ再開
2022/9/8 9:02
野村証券が7日付でデンソーのカバレッジを再開した。投資判断は「Buy」(買い)で、目標株価は9500円。中期成長力の高さとポートフォリオ変革に注目。提供:モーニングスター社…続き
速報ニュース
-
コーナン商、4月月次売上高で既存店売上高が前年同月比1.4%増、4カ月連続で前年を上回る
38時間前
-
大林組、ブラックロック・ジャパンのグループでの保有割合が上昇
38時間前
-
38時間前
-
グッドS、ニッポン・アクティブなどのグループによる保有割合が上昇
38時間前
-
株式新聞プレミアム=<特選!優待銘柄>5月は魅力大の銘柄多数
38時間前
-
株式新聞プレミアム=人材不足、離職防止が経営のカギに―関連サービスに商機
38時間前
-
38時間前
-
38時間前
-
38時間前
-
サンリオ、インベスコ・アセット・マネジメントの保有割合が低下
38時間前