来週の日本株の読み筋=米8月CPIに注目、インフレ鈍化なら強気ムードが増す可能性も
来週(12-16日)の東京株式市場は、外部要因にらみの展開が続くとみられるが、特に日本時間13日夜に発表される米8月CPI(消費者物価指数)を無難に通過できるかが注目される。インフレ鈍化が確認されれば、マーケットの強気ムードが一段と増す可能性もある。米CPIの前年同月比上昇率は6月の9.1%をピークに7月は8.5%に低下した。依然として高水準ではあるものの、今回もさらに伸びが縮小(市場予想は8.1%)すればトレンド転換につながることになりそうだ。
もっとも、現在進行中の欧米の金融引き締めがもたらす実体経済へのインパクトが、市場の想定より大きくなるリスクも無視できない。インフレがピークアウト後も長期で高止まりする場合は、FRB(米連邦準備制度理事会)やECB(欧州中央銀行)は経済が冷え込んだとしても金融緩和のカードを切れない事態に陥りかねない。
一方、日本株をめぐっては、引き続き円安が一定のサポート要素になりそうだ。また、小売企業の月次売上などからは、コロナ後の経済活動再開の動きも確認されているほか、インバウンド(訪日外国人観光客)の受け入れ本格化も視野に入る。欧米や中国の景気が悪化する影響は避けられないものの、こうしたプラス材料により、全体相場は相対的に堅調な動きも期待される。
スケジュール面では、国内で12日に8月工作機械受注・速報値、13日に7-9月期法人企業景気予測調査、14日に7月機械受注、15日に8月貿易統計などが発表される。海外では13日にドイツ9月ZEW景況感指数、15日に米8月小売売上高、16日に中国8月の工業生産や小売売上高、都市部固定資産投資、米9月ミシガン大学消費者マインド指数などがある。
9日の日経平均株価は続伸し、2万8214円(前日比149円47銭高の75銭と。8日の米国株高を受け、前場早々に上げ幅は一時220円に達した。その後、戻り売りや利益確定売りに伸び悩む場面もあったが、一巡後は持ち直した。時間外取引で米株価指数先物が高く、香港ハンセン指数などアジア株高も支えとなった。市場では、「金融引き締めによる先行き懸念はあるが、まだ金余りの余韻があるようだ」(準大手証券)との声が聞かれた。
提供:モーニングスター社
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