米8月コアCPI、前月比0.6%上昇に加速、前年比6.3%上昇―いずれも予想上回る

経済

2022/9/14 9:04

<チェックポイント>

●家賃や輸送サービス、新車、医療費が全体押し上げ

●ガソリン価格は低下も食品は上昇

●市場のピークアウト期待はく落、大幅利上げ織り込む

 米労働省が13日に発表した8月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコアCPI(価格変動が激しいエネルギーと食品を除く)が前月比0.6%上昇、前年比では6.3%上昇となり、いずれも市場予想(前月比0.3%上昇、前年比6.1%上昇)を上回った。7月は前月比0.3%上昇、前年比5.9%上昇だったため、FRBが金融引き締めを継続する中で伸びは加速した。

 前月比では、家賃価格のほか、自動車修理や自動車保険なども上昇。メディカルケアサービス(処方せん代や病院治療費)や、アパレル価格も上昇した。新車も上昇した一方、中古車は低下。航空運賃も低下した。

 前年比でも家賃価格は高い伸びとなり、新車、中古車、航空運賃などの伸びも目立つ。

 全体指数は前月比0.1%上昇、前年比8.3%上昇だった。エネルギー価格や食品は前年からみると大きく上昇しているが、前月からは減速している。

 エネルギー全体では前月比で5.0%低下となった。低下は2カ月連続。特にガソリンが10.6%低下と、大きく低下(前月は7.7%低下)した。重油は5.9%低下(同11.0%低下)と、3カ月連続で低下した。対照的に、都市ガス料金や電気料金は上昇している。

 食品も前月比では0.8%上昇と、7月の1.1%上昇から伸びが鈍化した。食品のうち、レストランなどで提供された外食価格は前月を上回る伸びとなったが、自宅調理用の食品は前月の伸びを下回った。

 前年比でみると、食品が11.4%上昇と7月の10.9%上昇を上回り、43年3カ月ぶりの高い伸び。エネルギーも23.8%上昇と高い伸びなったが、前月の32.9%上昇からは鈍化し、21年7月以来1年1カ月ぶりの伸びとなった。ガソリンや燃料油、電力の伸びは鈍化しているが、都市ガスは高い伸びとなった。

 市場では、今回の統計を受け、インフレがピークに達しておらず、FRBが20-21日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.75ポイントの大幅利上げを実施し、今後、数カ月利上げを継続すると予想している。統計発表直後、金利先物市場では9月会合で0.75ポイントの利上げ確率を90%織り込む一方で、10%の確率で1.00ポイントの利上げも予想している。FRBはパウエル議長を含め、数カ月にわたり、インフレ率が持続的に減速しなければ、利上げサイクルを変更しないとしている。

提供:モーニングスター社

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