<新興国eye>インドネシア中銀、予想に反し0.50ポイントの大幅利上げ―利上げは2会合連続(1)

新興国

2022/9/26 10:23

 インドネシア中央銀行(BI)は前週(22日)の理事会で、通貨ルピア相場を安定させ、インフレを抑制するため、主要政策金利の1週間物リバースレポ金利を0.50ポイント引き上げ、4.25%にすることを決めた。市場の大方は0.25ポイントの小幅利上げを予想していたため、サプライズとなった。今回の0.50ポイントの大幅利上げは18年半ば以来約4年ぶり。

 また、中銀は過剰流動性を吸収するための翌日物預金ファシリティー金利(FASBIレート)も3.50%、翌日物貸出ファシリティー金利も5.00%と、いずれも同率引き上げた。

 中銀はコロナ禍が始まった20年2月、景気を支援するため、利下げを再開し、同年7月まで4会合連続で利下げを決めた。国内経済が2期連続でマイナス成長となった11月と21年2月に利下げを実施。利下げ幅は20年2月以降で計1.50%ポイントに達した。翌3月会合から据え置きに転じ、7月会合まで17会合連続で現状維持を決めたが、前回8月会合で18年11月以来、3年9カ月ぶりに0.25ポイントの小幅利上げに転換した。利上げはこれで2会合連続となり、利上げ幅も0.75ポイントとなった。

 中銀は会合後に発表した声明文で、前回会合時と同様、「今回の利上げ決定はインフレ期待を抑制し、コアインフレ率を23年後半に物価目標(2-4%上昇)に収束させための先制的かつ前向きな措置だ。同時に、国内需要が強まる中、(ドル高の進行など)世界の金融市場の不確実性が高まっていることを受け、経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)を反映するよう、通貨ルピア相場の安定化を強化する」とし、急速なドル高を受け、新興国の通貨安が進む中、同国も利上げにより、自国通貨を高目に誘導し、インフレを抑制する戦略を継続する考えを示している。

 特に、FRB(米連邦準備制度理事会)が前日(21日)、0.75ポイントの大幅利上げを決めたため、ドル高が急速に進行。このため、中銀はインドネシア通貨ルピアの対ドル相場での急落を利上げにより阻止する狙いがあった。中銀は、声明文で、「FRBは政策金利を引き上げた。この動きによりドルが上昇し、世界の金融市場の不確実性が高まり、ポートフォリオ投資の流れが抑制され、インドネシアを含む新興市場の為替相場に圧力がかかっている」と、強い懸念を示している。(2)へつづく

提供:モーニングスター社

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