<新興国eye>前週のロシアRTS指数、原油安や、対ロ新制裁などを受け続落=BRICs市況

新興国

2022/10/3 9:18

 前週(9月26-30日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の30日終値が前日比1.54%安の1055.72、前週比では23日終値比7.50%安となり、2週連続で下落した。

 週明け26日は指数が続落。翌27日は反発した。28日も続伸。29日は小反落した。

 週前半は、ロシア占領下にあるウクライナの東部と南部の4州でロシアへの編入の是非を問う住民投票の実施や、それに強く反発したEU(欧州連合)が対ロ新制裁を発表したことが嫌気され、売りが優勢となった。ブレント原油先物が1バレル当たり84ドルに下落したことも売り材料となった。その後は、海外市場が堅調となり、ロシア市場でも買い戻しが優勢となった。原油価格が86ドルに回復したことも支援材料となった。

 週後半は、原油価格が89ドルを超えたことや、海外株高が好感され、引き続き買いが優勢となった。その後は、ウクライナの地政学的リスクの高まりと西側による対ロ新制裁懸念が広がり、売りが優勢となった。EUはロシア産鉄鋼製品の輸入禁止や半導体・生活用品の対ロ輸出禁止などの追加制裁措置を発表している。

 週末30日は続落。プーチン大統領がウクライナ4州のロシア併合条約に署名したことを受け、EUがロシアの金融商品取引の清算機関「ナショナル・クリアリング・センター(NCC)」に対する制裁発動を検討しているとの一部報道を受け、売りが優勢となった。個別銘柄では国営天然ガス大手ガスプロムが急落し、下げを主導。バルト海経由でロシアとドイツを結ぶ天然ガスパイプライン網「ノルドストリーム2」のパイプライン爆発事故と同社の将来の配当継続懸念が背景。

 今週(3-7日)のロシア市場は、引き続き、ロシア・ウクライナ戦争や西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える4日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や5日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は3日の9月製造業PMI(購買担当者景気指数)や5日の4-6月期GDP伸び率と非製造業PMI、7日の9月CPI(消費者物価指数)など。RTS指数は1000-1200の値動きが予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:モーニングスター社

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