<新興国eye>前週のロシアRTS指数、ガスプロムの減配や原油安を受け4週続落=BRICs市況

新興国

2022/10/17 9:18

 前週(10-14日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の14日終値が前日比2.31%高の990.66、前週比では7日終値比1.40%安となり、4週続落した。

 週明け10日は指数が4営業日続落。翌11日は小反発した。12日は反落。13日は再び反発した。

 週前半は、ロシア占領下にあるクリミア半島の橋梁爆破事件に伴うウクライナ戦争の激化と対ロ制裁による地政学的リスクの高まりや、国営天然ガス大手ガスプロムと石油開発大手タトネフチが中間配当金の減配発表が嫌気され、売りが優勢となった。その後は、これまでの急激な相場下落を受け、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが強まった。IMF(国際通貨基金)が今年の世界経済の成長率見通しを従来予想の6.0%減から3.4%減に上方修正(改善方向)したことも支援材料となった。

 週後半は、割高となっている銘柄を中心に売りが広がる展開となった。ブレント原油先物が世界景気後退懸念で1バレル当たり92.2ドルに下落したことも嫌気された。その後は、欧米市場、特に、9月の米CPI(消費者物価指数)統計でインフレ率が予想を上回ったことを受け、米株はいったん急落したものの、これまでの株価下落は行き過ぎだとして、急反発。ロシア市場でも買いが広がった。

 週末14日は続伸。原油価格が92ドルを割り込んだものの、プーチン大統領がウクライナに対するミサイル攻撃の必要性がなくなったと発言したことや、通貨ルーブル高となったことが好感され、買いが優勢となった。

 今週(17-21日)のロシア市場は、引き続き、ロシア・ウクライナ戦争や西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える18日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や19日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は19日の9月WPI(卸売物価指数)など。RTS指数は950-1050の値動きが予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:モーニングスター社

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