<新興国eye>前週のブラジル株、海外株高やペトロブラスとヴァーレ急騰を受け急反発=BRICs市況

新興国

2022/10/24 9:11

 前週(17-21日)のブラジル株式市場は21日のボベスパ指数が前日比2.35%高の11万9928.79、週間ベースでは14日終値比7.01%高と、急反発した。この結果、月初来で8.99%高、年初来では14.41%高となった。

 週明け17日は指数が反発。20日まで4日続伸した。

 週前半は、海外株高や前週末までの相場急落を受け、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが広がった。また、ブラジル中銀が発表した経済週報「フォーカス・ブルティン」で、22年のインフレ見通しが前週予想の5.71%上昇から5.62%上昇に引き下げら、引き下げが16週連続となったことも支援材料となった。その後は、引き続き、海外株高、特に米株市場の急騰が相場を下支え。なかでも鉱山大手ヴァーレの7-9月期の鉄鉱石の生産量が前期比21%増と急増したことが好感され、急騰し、上げを主導した。

 週後半は、通貨レアル高と原油高が好感され、資源セクターを中心に買いが優勢となった。特に、国営石油大手ペトロブラスが買われ、上げを主導。海外株高も支援材料となった。その後は、大統領選(決選投票)を控えた世論調査で、現職のボウソナロ大統領の支持率が対立候補のルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ元大統領を上回ったことを受け、財政支出の拡大観測が強まり、買いが広がった。また、原油と鉄鉱石の相場上昇を好感し、ペトロブラスとヴァーレが急騰。上げを主導した。

 週末21日は5日続伸。引き続き、ペトロブラスとヴァーレが相場をけん引。また、FRB(米連邦準備制度理事会)が次回11月に0.75ポイントの大幅利上げを決めた後、12月会合から利上げペースを減速させるとの一部報道が好感され、買い安心感が広がった。

 今週(24-28日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側の対ロ追加制裁、台湾情勢巡る米中関係、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、特に大統領選挙の決選投票(30日)の動向、ブラジル中銀の金融政策決定会合(26日)も注目される。主な経済指標の発表予定は24日のジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)10月消費者信頼感指数と10月中旬時点のIPCA(拡大消費者物価指数)、26日の9月PPI(生産者物価指数)、28日のFGV10月IGP-MIインフレ指数など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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