新世界百貨中国、上海のロックダウンなどが響き22年6月期通期決算は売上高が減少し赤字が約2倍に拡大

サーチナ

中国株

2022/10/25 9:06

 新世界発展(00017/香港)傘下で、中国本土においてデパートなど小売事業を展開する新世界百貨中国(00825/香港)が10月20日、2022年6月期通期決算を発表した。新型コロナ感染拡大が響いて売上が前期より減少し、赤字が拡大した。

 同社は22年6月30日現在、北京、上海、重慶、武漢、南京、天津、長沙、鄭州、西安など15都市で26のデパートやショッピングセンターを運営しており、総売場面積は105万平方メートルとなっている。オンライン販売やデジタル化の整備も進めており、オンラインとオフラインの両輪による販売体制構築を目指している。

 22年6月期通期の売上高は19億3460万香港ドルで、前期の22億4600万ドルから13.86%減少した。分野別では賃料収入が7億4560万ドルで前期比約6%増となったものの、商品販売が5億116万ドルで同約21%減となった。また、テナント手数料収入も前期の8億9300万ドルから約25%減の6億6500万ドルに留まった。当期純損益は4億8338万ドルの赤字で、前期の2億2935万元から赤字額が2.11倍に拡大した。

 当期の経営状況について同社は、新型コロナの感染再拡大による影響を繰り返し受ける厳しい状況だったとし、22年4〜5月に北京市の4店舗が一時休業や短縮営業を余儀なくされたほか、3〜5月には上海市のロックダウンによって全面休業となったことが大きな打撃となり、売上高と利益が減少する主要因になったとしている。さらに、香港ドルと人民元のレート変動によって1億6300万ドルの為替差損が生じ、損失が増加した。(編集担当:今関忠馬)(写真:123RF)

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