<新興国eye>前週のブラジル株、ルラ新大統領への政策期待やレアル高を受け急反発=BRICs市況

新興国

2022/11/7 9:11

 前週(10月31日-11月4日)のブラジル株式市場は4日のボベスパ指数が前日比1.08%高の11万8155.46、週間ベースでは10月28日終値比3.16%高と、急反発した。この結果、月初来で1.83%高、年初来では12.72%高となった。

 週明け31日は指数が反発。11月相場入りした翌1日まで続伸。2日は「万聖節」の祝日で休場となった。取引が再開された3日は小反落。

 週前半は、大統領選挙の決選投票(10月30日)でルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ元大統領が勝利したことを受け、政策期待感から買いが優勢となった。通貨レアル高も支援材料となった。ただ、国営石油大手ペトロブラスが急落したため、上げは限定的となった。ルラ新大統領はペトロブラスの経営方針に否定的なことや、米金融大手JPモルガン・チェースがペトロブラスの投資判断を引き下げたことが背景。その後は、ジャイール・ボウソナロ前大統領が選挙結果について、憲法を順守すると発表し、選挙結果を認めたことを受け、政治混乱が回避されたとの見方で、買いが一段と強まった。

 週後半は、休場明けの取引再開で、FRB(米連邦準備制度理事会)が大幅追加利上げを決め、利上げ継続が長期化する見通しが強まったことを受け、世界景気後退懸念から売りが優勢となった。また、10月ブラジル製造業PMI(購買担当者景気指数)が50.8と、前月の51.1を下回ったことも嫌気された。

 週末4日は反発。海外株高となり、ブラジル市場でも買いが優勢となった。また、ブラジルの重要な貿易相手国である中国で、コロナ感染拡大が続く中、行動規制などゼロコロナ政策が近く緩和されるとの観測が支援材料となった。

 今週(7-11日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側の対ロ追加制裁、台湾情勢巡る米中関係、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、特にルラ新大統領の経済政策も注目される。主な経済指標の発表予定は8日の10月ジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)IGP-DIインフレ指数(全国卸売物価指数)と10月自動車生産・販売台数、9日の9月小売売上高、10日の10月IPCA(拡大消費者物価指数)、11日の9月サービス業成長率など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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