【為替本日の注目点】ドル円続落し138円台半ばへ
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円は続落し、NYでは138円47銭近辺まで下落。債券市場が休場だったこともあり、大きな値動きはなかったものの、前日のドル急落の余韻を残す。ユーロドルでもドル安の流れは続き、ユーロは1.0364まで買われ、8月10日以来、およそ4カ月ぶりの高水準を記録。株式市場は前日の大幅高に続き、この日も上昇。ナスダックは209ポイント高となり、他の2指数も続伸。債券市場は休場。金と原油は揃って続伸。
マーケット情報
11月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 54.7
ドル/円 138.47 ~ 139.80
ユーロ/ドル 1.0278 ~ 1.0364
ユーロ/円 143.20 ~ 143.92
NYダウ +32.9 → 33,747.86ドル
GOLD +15.70 → 1,769.40ドル
WTI +2.49 → 88.96ドル
米10年国債 → 3.813%
本日の注目イベント
亜 米中首脳会談(インドネシア、バリ島)
欧 ユーロ圏10月鉱工業生産
米 ウィリアムズ・NY連銀総裁パネル討論に参加
中東 OPEC月報
ドル円が140円の大台をあっさりと割込み、欧州からNYにかけては138円台半ばまでドル安が進みました。前日のCPIの下振れをきかっけに急速にドル高の修正が進んでいます。率直に言って、想定を超える「速さ」です。米国のインフレがピークアウトを示唆するデータが出れば、ドル安が進むことは誰しもが考えていたところですが、その下落スピードはやや急激過ぎる印象です。それほどドルロングが積み上げっていたのかもしれませんが、ここは冷静に考える必要があろうかと思います。
米国のインフレがピークを付けたとすれば、物価上昇率は今後緩やかに減速していくことになりますが、それでもFRBが目指す2%はかなり遠い距離です。5%を下回る水準まで低下したのであれば話は別ですが、そこまで低下するのも早くても、来春のことと思われます。原油価格も85ドル~90ドルで高止まりしており、日本の貿易赤字を解消するには至っていません。日米金利差は多少縮小することにはなりますが、構造的なドル買い需要はそう簡単には変わらないと考えられます。また先週指摘したように、トレンドが転換したと判断し得る「日足」チャートでは、雲の下限を前に、ローソク足が反転している形状になっています。つまり、多くの投資家が一旦は下げ止まる水準として注目していたことがうかがえます。この水準で、先に売った投資家の中には買い戻した人もいるし、新規に買った人もいるということで、ここまではテクニカル通りです。個人的は、ここは一旦「打診買い」の水準ではないかと考えています。今朝6時半時点でのドル円は138円台半ばで推移しています。151円94銭を天井に、すでに13円47銭程下げたドル円でしたが、相変らず下げのスピードは速いということを痛感させられた感じです。そもそも今年の大幅な円安の進行そのものが「想定外」であったわけですから、この先何が起こるか正直わかりません。一旦は買い場と考えてはいますが、注意は必要です。「山高ければ、谷深し」ということでしょう。
本日インドネシアのバリ島で、米中首脳会談が行われます。米中間選挙では大方の予想に反して、民主党が上院で多数派維持を確実にし、下院でも開票当初に比べ、民主党が議席を伸ばし、過半数の議席数である218議席を巡る接戦が続いています。現時点では共和党211、民主党203で、どちらが過半数を獲得するのか依然判明していません。このような状況を受けバイデン大統領は「一段と強い立場で」習近平氏との会談に臨むことになると発言しています。バイデン氏は、「私は習近平氏を知っており、彼は私を知っている。レッドラインが何かを見つめねばならないだけだ」と話しています。(ブルームバーグ)米中首脳会談に先立ち、13日には米日韓による首脳会談が行われています。ここでは「北朝鮮のミサイルによる挑発行為や、台湾海峡周辺での中国の威嚇行動に対する認識」が共有されたようです。
暗号資産交換業者FTXの破綻に関して、バハマ警察はバハマ証券委員会と協力し、刑法違反行為の有無を捜査している模様です。同社のCEOを辞任したバンクマンフリード氏はすでに警察の聴取を受けており、英フィナンシャル・タイムズ(FT)によれば、FTXトレーディング・インターナショナルの流動資産は10日時点でわずか9億ドル(約1250億円)だったのに対して、負債は90億ドルだったと報じており、サマーズ元財務長官は、不正の臭いが漂うとしながら、「リーマン危機に例える人が多いが、どちらかと言えばエンロンに近いだろう」と述べています。代表的な暗号資産であるビットコインはさらに下げて、1万6300ドル台まで売られています。昨年9月に記録した過去最高値の6万7734ドルからは、実に76%程下げたことになります。
本日のドル円は138円50銭~140円80銭程度を予想しています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)
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・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧
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