来週の東京外国為替市場見通し=世界的なリセッション警戒、今年最後のFOMCに注目

国内市況

為替

2022/12/9 16:09

予想レンジ:1ドル=130円00銭-140円00銭

 5-9日のドル・円は上昇した。週半ばにかけてドル買いが継続したが、その後はポジション調整のドル売りにより上げ幅を縮めた。週明け5日は、米11月ISM(サプライマネジメント協会)非製造業景気指数が市場予想を上回ったことでドル買いが優勢となった。6日は、米金融引き締めの長期化観測からドル買いが継続したが、米長期金利の低下を受けてドル・円は上げ幅を縮小。7日、中国が「ゼロコロナ」政策を緩和したことでドル買い・円売りが先行したものの、ロシアのプーチン大統領が核戦争の脅威が高まったと発言したことが重しになり、リスクオフの円買いが強まった。8日は、翌日に米11月PPI(生産者物価指数)などの発表を控えて様子見ムードが強まる中、ほぼ横ばいで推移。9日の東京時間は円買い優勢となり、ドル・円は弱含みで推移した。

 9日の米11月PPIの次は13日の米11月CPI(消費者物価指数)、13-14日に開催される今年最後のFOMC(米連邦公開市場委員会)が注目となる。市場予想では、PPI、CPIともに前年比の伸びが10月から鈍化する見通し。市場はすでにFOMCでの0.5ポイントの利上げを織り込みつつあり、関心も来年の利上げペースに移り始めているため、PPIやCPIが市場予想通りでもドル・円の下値は限定的となりそう。

 ただ、最近は世界的なリセッション(景気後退)への警戒も強まっている。来週は米11月小売売上高も発表され、市場予想は年末商戦の時期でありながら前月比で横ばいとなっている。仮に一連の物価指標が市場予想を上回るようなら米金融引き締めペースの鈍化観測が後退し、日米金利差の再拡大観測からドル買い・円売りが強まるだろうが、米GDP(国内総生産)の7割を占める個人消費に大きな陰りがみられるようなら、過度の利上げによる米景気の先行き不透明感が意識され、リスクオフのドル売りが強まりそうだ。

 その他の経済指標では、12月NY連銀製造業景気指数や11月鉱工業生産などのほか、中国の11月小売売上高、11月鉱工業生産などにも注目。また、15日にはECB(欧州中央銀行)理事会や、MPC(英中銀金融政策委員会)の結果公表も控える。

 ドル・円の上値メドはフシの140円ちょうど、下値メドは130円ちょうどとする。重要経済指標やFOMCの結果次第で大きくブレる可能性があるため、レンジを広めに取りたい。

提供:モーニングスター社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ