<新興国eye>前週の上海総合指数、ゼロコロナ政策の新緩和措置などを受け6週続伸=BRICs市況

新興国

2022/12/12 9:13

 前週(5-9日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数が週間ベースで6週続伸。9日は3206.95(2日終値比1.61%高)だった。

 週明け5日は指数が反発。翌6日も小幅続伸した。7日は反落。8日も続落した。

 週前半は、政府が新たに複数の都市でコロナ規制を緩和し、ゼロコロナ政策を事実上、緩和する動きを強めたことが好感され、買いが優勢となった。政府は新型コロナの感染症分類を来年1月にも引き下げる見通しとなったことや、中国人民銀行(中銀)が人民元相場の取引の基準値(レファランス・レート)を元高方向に引き上げたことも買い材料となった。その後は、新型コロナの新規感染者数が減少傾向を示したことや、コロナ規制緩和に関する10項目の新たな措置が発表されるとの観測で買いが一段と強まった。ただ、米国の経済統計が強い結果となったことで、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ継続が長期化するとの思惑が広がり、上値が重くなった。

 週後半は、11月貿易統計で、ドル建ての輸出が前年比8.7%減と、市場予想(同3.5%減)を下回り、輸入も同10.6%減と、市場予想(同6%減)を大幅に下回ったことから、内需の低迷が浮き彫りとなり、売りが優勢となった。また、国内移動時のコロナ検査義務廃止などコロナ規制緩和の新措置が発表されたが、予想の範囲内だったため、反応薄だった。その後は、引き続き11月貿易統計の悪化を受け、景気後退懸念が強まり、売りが続いた。

 週末9日は反発。コロナ対策の緩和を受け、生活必需品株やヘルスケア株が買われ、上げを主導する中、不動産開発大手の融創中国が30-40億ドルの既存債務のデット・エクイティ・スワップ(債務の株式化)による債務再編計画を発表したことが好感され、買いが優勢となった。

 今週(12-16日)の株式市場は新型コロナ感染防止措置の緩和や台湾情勢を巡る米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では景気対策、人民元相場、石炭や原油などのコモディティー相場、FRBの金融政策決定会合(14日)も注目される。主な経済指標の発表予定は15日の11月鉱工業生産と11月小売売上高、1-11月都市部固定資産投資など。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>

提供:モーニングスター社

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