【上海IPO】9日は科創板で2社上場、太陽光電池銀ペーストの常州聚和新材料は初値が公開価格を46%上回る

サーチナ

中国株

2022/12/12 9:14

 上海証券取引所では12月9日、天津美騰科技(688420/上海)、常州聚和新材料(688503/上海)の2社が科創板に新規上場した。

 天津美騰科技の初値は公開価格48.96元を2.22%下回る47.87元だった。終値は初値を1.94%上回る49.91元だった。

 同社は15年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。乾式選別機選別装置、列車自動積み込みシステムなど鉱工業用スマート設備およびシステムの提供を主業務とする。石炭分野で成長し、非鉄金属や非金属などの工業分野にも製品、サービスを提供している。国家能源集団、山東能源、陝煤集団、山西焦煤など国有の大型・中型石炭企業グループ傘下企業を顧客に持つなど、業界で高い知名度を持つ。21年12月期の売上高は3億8353万元(前期比19.30%増)、純利益は8594万元(同6.32%減)。22年1〜9月期の売上高は3億1330万元(前年同期比37.31%増)、純利益は8281万元(同56.83%増)。

 新規上場に伴い調達予定の5億945万元(約100億円)は、約24%の1億2103万元をスマート設備生産およびテスト拠点建設プロジェクトに、約17%の8841万元をスマート鉱工業プロジェクトに、約33%の1億7000万元を研究開発センター建設プロジェクトに用いる。

 常州聚和新材料の初値は公開価格110.00元を46.36%上回る161元だった。終値は同35.37%高の148.91元だった。

 同社は15年設立の民営企業。新型電子ペーストの研究開発、生産、販売を主業務としており、現在の主な製品は太陽光電池表面用銀ペースト。多結晶PERC電池、単結晶単面酸化アルミニウムPERC電池、単結晶両面酸化アルミニウムPERC電池、N型TOPcon電池、HJT電池などの太陽光発電の主要電池、新型高効率電池に用いられている。通威太陽能、東方日昇(300118/深セン)、JAソーラー(002459/深セン)、カナディアンソーラーなど大手太陽光電池パネルメーカーと良好な提携関係を持つ。

 21年の世界表面銀ペースト製品市場シェアは37.09%で、中国企業として初めて表面銀ペースト製品出荷量世界一となった。さらに、太陽光電池表面銀ペースト製品の開発、生産で蓄積した各種リソースを生かし、太陽光電池以外の分野向けの銀ペースト製品の開発にも積極的に取り組んでおり、すでに販売実績を持つに至っている。21年12月期の売上高は50億8392万元(前期比2.03倍)、純利益は2億4677万元(同98.62%増)。22年1〜9月期に売上高は48億7961万元(前年同期比32.65%増)、純利益は3億256万元(同67.29%増)。

 新規上場に伴い調達予定の10億2687万元(約201億円)は、約27%の2億7287万元を年産3000トンの導電銀漿生産ライン建設プロジェクトに、約5%の5400万元をエンジニアリング技術センター改良プロジェクトに用いる。(編集担当:今関忠馬)(写真:123RF)

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