日経平均は524円安と大幅続落、一時2万7500円割れ―東証プライム銘柄の8割超が下落=16日後場

 16日後場の日経平均株価は前日比524円58銭安の2万7527円12銭と大幅続落。朝方は、15日の欧米株式の急落を受け、リスク回避の売りが先行した。欧州株式市場では、ECB(欧州中央銀行)がタカ派的な方針を示し、主要指数が軒並み下落。米国株式市場では、米11月小売売上高が市場予想よりも弱く、景気悪化への警戒感から主要3指数が大きく値を下げた。日経平均も先物売りを交えて下げ幅を拡大し、後場終盤には2万7488円83銭(前日比562円87銭安)まで下押した。市場では、海外ヘッジファンドなど短期筋の売りが観測された。

 なかで、指数寄与度の高いファストリテ<9983.T>やソフバンG<9984.T>が安く、東エレク<8035.T>など値がさハイテク株中心に軟調に推移した。東証プライム銘柄では全体の81.1%が下落した。

 東証プライムの出来高は13億8413万株、売買代金は3兆4268億円。騰落銘柄数は値上がり290銘柄、値下がり1493銘柄、変わらず56銘柄。

 市場からは「海外株安を受けて、短期筋が先物主導で売り圧力をかけたようだ。当社の売りフローに大きなものなく、基本的にリバランス的な売買にとどまっている。来週からは海外投資家がクリスマス休暇入りとなり、市場も静かになってくる」(外資系証券)との声が聞かれた。

 業種別では、住友鉱<5713.T>、東邦鉛<5707.T>、大阪チタ<5726.T>などの非鉄金属株が下落。オリックス<8591.T>、クレセゾン<8253.T>、JPX<8697.T>などのその他金融株も安い。ダイキン<6367.T>、三菱重工<7011.T>、IHI<7013.T>などの機械株や、東エレク<8035.T>、アドバンテス<6857.T>、ファナック<6954.T>などの電機株も売られた。大王紙<3880.T>、王子HD<3861.T>、日本紙<3863.T>などのパルプ紙株や、三井物産<8031.T>、三菱商<8058.T>、丸紅<8002.T>などの卸売株も軟調。ソフバンG<9984.T>、ZHD<4689.T>、NTTデータ<9613.T>などの情報通信株も売られた。

 半面、川崎汽<9107.T>、商船三井<9104.T>、郵船<9101.T>などの海運株が堅調。三井不<8801.T>、東急不HD<3289.T>などの不動産株も引き締まった。

 個別では、マイネット<3928.T>、エニグモ<3665.T>、アバントG<3836.T>、オロ<3983.T>などが値下がり率上位。半面、JTEC<3446.T>、Gunosy<6047.T>がストップ高となり、CYBOZU<4776.T>、大栄環境<9336.T>などの上げも目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、31業種が下落した。

(写真:123RF)

提供:モーニングスター社

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