米11月住宅着工件数、前月比0.5%減の142.7万件―市場予想上回る

経済

2022/12/21 9:13

<チェックポイント>

●一戸建ては3カ月連続減少し今年最低の水準

●主力の南部がほぼ横ばい、中西部も急減

●建築許可件数は11.2%減―市場予想下回る

 米商務省が20日に発表した11月の住宅着工件数(季節調整値)は、年率換算で前月比0.5%減の142万7000件と3カ月連続で減少したが、市場予想の平均値である140万件ほどは悪化しなかった。前年比は16.4%減と7カ月連続の前年割れ。

 FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げで住宅ローン金利が上昇するなか、資材高や労働者不足による住宅価格の高騰で需要が弱まっているとみられる。

 内訳は、主力の一戸建てが前月比4.1%減の82万8000件と3カ月連続で減少し、今年に入り最も低い水準となった。対照的に、月毎に変動が激しいアパート(5世帯以上)は同4.8%増の58万4000件と2カ月連続で増加した。

 一戸建てのバックログ(建築許可が下りたあと、未着工となっている件数)は、前月比3.4%減の14万3000件で、アパート(前月比横ばい)を含めた全体では同2.0%減の29万3000件となった。

 地域別の着工件数は、一戸建ての急減により、全体の約6割を占める主力の南部が前月比0.1%増とほぼ横ばいとなったほか、中西部も同6.5%減と急減。北東部は一戸建てが好調だったものの、アパートが急減して同18.6%減だった。全体に占める割合が南部に次ぐ西部は同8.3%増と堅調だった。

 他方、先行指標である住宅建築許可件数は前月比11.2%減の134万2000件と2カ月連続で減少し、市場予想の平均値である148万件を大幅に下回った。一戸建ては7.1%減の78万1000件と9カ月連続で減少。アパート(5世帯以上)は17.9%減の50万9000件と2カ月連続で減少した。需要低迷で着工が遅れている。前年比は22.4%減だった。

 一戸建ての地域別は、主力の南部が前月比7.2%減の47万6000件、西部が同7.8%減の15万4000件、中西部は同9.1%減の10万件。北東部は同横ばいの5万1000件だった。

 建築許可が下りたあとの建築中件数をみると、一戸建ては前月比1.3%減の77万7000件と6カ月連続で減少。ただ、アパート(5世帯以上)が同1.1%増の91万5000件となり、全体では70年の統計開始以来、過去最高を記録した前月と同程度の170万9000件となった。

提供:モーニングスター社

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