<新興国eye>インドネシア中銀、予想通り0.25ポイント追加利上げ―小幅利上げに転換(2)

新興国

2022/12/23 9:14

(1)からつづく

 市場ではインドネシアも利上げによる通貨高でインフレ抑制に動く、いわゆる、逆通貨戦争(通貨高戦争)に入ったと見ている。通貨戦争は通貨安による輸出競争力を高める戦略を意味するが、逆通貨戦争はその逆に、通貨高により、各国の国際的な購買力を支える中銀の努力を指す。

 今後の金融政策について、中銀は前回会合時と同様、「景気回復の勢いを維持するため、ポリシーミックス(複数の経済政策手段の一体運営)を強化する」とした上で、「外為市場での介入を通じ、インフレ、特に輸入インフレを抑制するため、ルピア相場の安定化を強化する」とし、ルピア安阻止のドル売り・ルピア買いの市場介入を行う考え。また、中銀は、「引き続き、流通市場でのSBN(短期国債)の売買を通じ、SBNの短期の利回りを引き上げ、海外からのポートフォリオ投資の魅力を高める」としている。市場では今後、中銀は来年1-3月期まで0.25ポイントの小幅利上げを継続し、金利は6。00%でピークに達すると予想している。

 景気の見通しについて、中銀は前回会合時と同様、「国内経済は好調が続いている」とした上で、「22年の経済成長率は中銀予測の4.5-5.3%増のレンジの上限近くになる」との見通しを据え置いた。また、「23年の成長率は世界経済の減速に伴い、4.5-5.3%増のレンジの半ばまでにやや鈍化するが、力強い成長が続く」と予想している。

 次回会合は23年1月18-19日に開かれる予定。

<関連銘柄>

 アジア債券<1349.T>、上場EM債<1566.T>、アセアン50<2043.T>

提供:モーニングスター社

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