<新興国eye>前週のブラジル株、原油高や通貨レアル高、中国経済再開を受け反発=BRICs市況

新興国

2023/1/16 9:09

 前週(9-13日)のブラジル株式市場は13日のボベスパ指数が前日比0.84%安の11万0916.08、週間ベースでは6日終値比1.79%高と、反発した。

 週明け9日は指数が反発。11日まで3日続伸した。12日は反落。

 週前半は、中国経済の再開の動きがゼロコロナ政策の終了で進んでいることや、原油価格が上昇、資源セクターが買われたことを受け、買いが優勢となった。ただ、ジャイール・ボウソナロ前大統領を支持する数千人が暴徒化し、国会議事堂に乱入(8日)する事件が起きたため、政治混乱懸念が強まり、上値が重くなった。その後は、通貨レアル高が好感され、買いが強まった。また、米12月雇用統計(6日)で、失業率が低下し、賃金の伸びが鈍化したことを受け、今後、米利上げペースは鈍化するとの見通しが強まったことや、米国のインフレ率は物価目標に向かって収束するとの見方も広がり、支援材料となった。

 週後半は、米長期金利の先高懸念が緩和したことや、欧米市場の上昇、原油高による資源セクターの上昇が好感され、一段と買いが広がった。市場が注目した、FRB(米連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル議長の講演は金融政策への言及がなかったため、反応薄だった。その後は、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。また、イーコマース(電子商取引)大手アメリカーナスが200億レアルの会計ミスが見つかり、セルジオ・リアル社長が辞任すると発表したことを受け、約80%急落、下げを主導した。ただ、海外株高や、米12月CPIの伸びが減速したことを受け、米利上げペースが減速するとの見通しが支援材料となったため、下値は限られた。

 週末13日は続落。GDP(国内総生産)の先行きを占う22年11月IBC―Br経済活動指数が前月比0.55%低下と、10月の同1.65%上昇から落ち込んだことや、11月鉱工業生産指数も前月比0.1%低下となったことが嫌気され、売りが優勢となった。ただ、前日、急落したアメリカーナスは15%超高と、やや値を戻している。

 今週(16-20日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側の対ロ追加制裁、台湾情勢巡る米中関係、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済政策も注目される。主な経済指標の発表予定は17日のIGP-10インフレ指数(12月11日-1月10日まで物価変動指数)や19日の12月失業率など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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