米12月住宅着工件数、前月比1.4%減の138.2万件―市場予想ほど悪化せず

経済

2023/1/20 9:07

<チェックポイント>

●主力の一戸建てが4カ月ぶりに増加

●季節調整していない22年全体は前年比3%減の155.3万件

●着工件数は市場予想に反して減少

 米商務省が19日に発表し12月の住宅着工件数(季節調整値)は、年率換算で前月比1.4%減の138万2000件と4カ月連続で減少したが、市場予想の平均値である4.8%減の135.8万件ほどは悪化しなかった。前年比は21.8%減と、8カ月連続の前年割れとなっている。

 季節調整をしていない22年全体の着工件数は前年比3%減の155万3300件となった。年間ベースで前年を下回ったのは09年以来13年ぶり。

 12月の着工件数は、月毎に変動が激しいアパート(5世帯以上)が前月比18.9%減の46万3000件となったが、主力の一戸建てが同11.3%増の90万9000件と4カ月ぶりに増加した。

 一戸建てのバックログ(建築許可が下りたあと、未着工となっている件数)は前月比4.9%減の13万7000件と、2カ月連続で減少した。

 一方、先行指標である住宅建築許可件数は、前月比1.6%減の133万件と3カ月連続で減少し、1.0%増の136.5万件とする市場予想に反して減少した。前年比は29.9%減。インフレ加速による人件費や資材価格の高騰を背景に、建築業者が着工を遅らせている状況が続いている。一戸建てが前月比6.5%減の73万件と10カ月連続で減少し、アパート(5世帯以上)は同7.1%減の55万5000件と3カ月連続で減少した。

 建築許可が下りたあとの建築中件数は、一戸建てが前月比0.3%増の76万9000件、アパート(5世帯以上)が同1%増の92万6000件となり、全体では同0.6%増の171万2000件となっている。

 22年第4四半期(10-12月)の建築中件数の月平均は170万8000件となり、第3四半期(22年7-9月)の月平均169万5000件を上回ったことから、22年10-12月期GDP(国内総生産)速報値の住宅投資部門を押し上げる見通しだ。

 他方、完成住宅件数は前月比8.4%減の141万1000件と、10月以来2カ月ぶりの低水準となった。一戸建てが同8%減の100万5000件、アパート(5世帯以上)が同12.1%減の38万5000件となった。

提供:モーニングスター社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ