<新興国eye>前週のブラジル株、ペトロブラスとヴァーレの上げやレアル高を受け続伸=BRICs市況

新興国

2023/1/23 9:05

 前週(16-20日)のブラジル株式市場は20日のボベスパ指数が前日比0.78%安の11万2040.64、週間ベースでは13日終値比1.01%高と、続伸した。

 週明け16日は指数が反落。翌17日は反発し、19日まで3日続伸。

 週前半は、米株市場の休場でブラジル市場では薄商いとなる中、原油と鉄鉱石相場が下落し、国営石油大手ペトロブラスと鉱山大手ヴァーレが下げを主導。また、中銀が発表した経済週報「フォーカス・ブルティン」で、23年実質GDP(国内総生産)伸び率の見通しが前週予想の0.78%増から0.77%増に引き下げられたことや、23年末時点の政策金利見通しが前週予想の12.25%から12.5%に引き上げられたことも嫌気され、売りが優勢となった。

 その後は、これまでの相場下落を受け、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが活発化した。原油価格の上昇でペトロブラスが買われ、上げを主導。また、中国の22年GDP伸び率(3.0%増)が市場予想(1.6%増)を上回ったことや、ブラジル中銀の物価目標が引き上げられるとの思惑も支援材料となった。

 週後半は、鉄鋼石相場の上昇を受け、指数の構成ウェートが高いヴァーレが急騰、上げを主導。その後は、ルラ新政権が経済重視の姿勢を明確にしたことや、通貨レアル高の進行が好感され、買いが優勢となった。また、ペトロブラスが急伸し、上げを主導。ただ、200億レアル(約40億ドル)の会計ミスが見つかり、社長辞任に発展した、イーコマース(電子商取引)大手アメリカーナスが日本の会社更生法にあたる破産法の適用を裁判所に申請した後、急落したため、上げは限定的となった。

 週末20日は反落。アメリカーナスが裁判所から破産法の適用が認められ、430億レアル(82億ドル)の負債を抱えて経営破綻したことを受け、34%急落し、下げを主導した。

 今週(23-27日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側の対ロ追加制裁、台湾情勢巡る米中関係、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済政策も注目される。主な経済指標の発表予定は24日の1月IPC-Fipeインフレ指数(サンパウロ大学経済研究所が発表する消費者物価指数)や25日のジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)1月消費者信頼感指数、26日の12月経常収支など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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