日経平均は3円安と3日ぶり小反落、朝高後に下げ転換―米株安に円安一服も重し=31日前場

 31日前場の日経平均株価は前日比3円81銭安の2万7429円59銭と3営業日ぶりに小反落。朝方は、円安・ドル高を支えに買いが先行したが、30日の米国株安が重しとなり、直後にいったん下げに転じた。ただ、すかさず切り返し、一時2万7494円17銭(前日比60円77銭高)まで値を上げる場面もあった。一巡後は円安一服もあって再びマイナス圏に押し戻され、2万7379円11銭(同54円29銭安)まで軟化した。その後の戻りは限定され、前引けにかけて小安い水準で推移した。決算発表の本格化をにらみ、積極的な売買は見送られた。

 日本時間午前10時30分にIMF(国際通貨基金)が世界経済見通しを発表し、23年の実質成長率予測を2.9%と22年10月の前回見通しから0.2ポイント引き上げた。同時刻に明らかにされた中国1月製造業PMI(購買担当者景気指数)は50.1(22年12月は47.0)と市場予想と一致したが、直後の相場への影響は限られた。

 日経平均は、寄与度の高いファーストリテ<9983.T>、東エレク<8035.T>などが値を下げ、指数を圧迫した。一方、東証業種別株価指数(全33業種)では、21業種が上昇し、東証プライム銘柄では全体の66%が値を上げ、TOPIX(東証株価指数)の小反発(前日比0.79ポイント高の1983.19ポイント)につながった。

 東証プライムの出来高は5億2468万株、売買代金は1兆2763億円。騰落銘柄数は値上がり1214銘柄、値下がり561銘柄、変わらず60銘柄。

 市場からは「米国株安に加え、朝方の円安が止まり、売りに傾いた。米国株は楽観の反動で調整入りするとみられ、日本株もツレ安するだろう。さらに円高基調に戻るようなら、日経平均2万6000円に向けた下落コースが想定される」(銀行系証券)との声が聞かれた。

 業種別では、三井住友<8316.T>、三菱UFJ<8306.T>、みずほ<8411.T>、りそなHD<8308.T>などの銀行株が軟調。INPEX<1605.T>、石油資源<1662.T>などの鉱業株や、出光興産<5019.T>、コスモエネH<5021.T>、ENEOS<5020.T>などの石油石炭製品株も安い。大東建<1878.T>、日空ビル<9706.T>などの不動産株も値を下げ、第一三共<4568.T>、塩野義薬<4507.T>、エーザイ<4523.T>などの医薬品株もさえない。

 半面、中部電力<9502.T>、東電力HD<9501.T>、東北電力<9506.T>、東ガス<9531.T>などの電気・ガス株が上昇。日本紙<3863.T>、王子HD<3861.T>などのパルプ・株や、ニッスイ<1332.T>、マルハニチロ<1333.T>などの水産・農林株も高い。任天堂<7974.T>、アシックス<7936.T>、ミズノ<8022.T>などのその他製品株も堅調。

 個別では、M&Aキャピ<6080.T>がストップ安ウリ気配となり、ストライク<6196.T>がストップ安。バリューコマース<2491.T>、ピーシーエー<9629.T>などの下げも目立った。半面、バルカー<7995.T>が一時ストップ高となり、兼松エレク<8096.T>(監理)、コア<2359.T>、NECキャピ<8793.T>などが値上がり率上位。

提供:モーニングスター社

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