日経平均は142円安と続落、朝高後に下げ転換―円高やソフバンG株急落など重し=8日前場

 8日前場の日経平均株価は前日比142円08銭安の2万7543円39銭と続落。朝方は、7日の米国株高を支えに寄り付き後まもなく2万7719万45銭(前日比33円98銭高)まで強含んだ。ただ、買いは続かず、直後に下げに転じた。円高・ドル安や、22年10-12月期決算で最終損益が7834億円の赤字(前年同期は290億円の黒字)に悪化したソフバンG<9984.T>の株価急落などが重しとなった。株価指数先物売りにまとまった売りが出たこともあり、一時2万7458円53銭(同226円94銭安)まで下落した。その後は下げ渋ったが、戻りは限定された。

 日経平均マイナス寄与度では、ソフバンGが79.7円と大きく、続いてファストリテが43.8円となり、この2銘柄で指数を123円強押し下げた。東証業種別株価指数(全33業種)では、その他製品、鉄鋼、非鉄金属など18業種が値下がりし、医薬品、鉱業、繊維製品など15業種が値上がりした。

 東証プライムの出来高は5億6361万株、売買代金は1兆4721億円。騰落銘柄数は値上がり907銘柄、値下がり808銘柄、変わらず120銘柄。

 市場からは「米株とドル・円の綱引き相場が続いているが、きょうは円高が響いた。今後の業績に対する警戒感がくするぶっている。ただ、米株市場はショートカバー(買い戻し)が遅れている面もあり、来週発表の米1月CPI(消費者物価指数)に向けて買い戻しで強くなり、日本株の支えになろう。もっとも、日経平均は週末SQ(特別清算指数)算出を通過すれば、徐々に上値が重くなり、調整局面入りの可能性も出てくるだろう」(銀行系証券)との声が聞かれた。

 業種別では、任天堂<7974.T>、バンナム<7832.T>、ヤマハ<7951.T>などのその他製品株が下落。日本製鉄<5401.T>、JFEHD<5411.T>、神戸鋼<5406.T>などの鉄鋼株や、大阪チタ<5726.T>、古河電工<5801.T>、三井金<5706.T>などの非鉄金属株も安い。丸井G<8252.T>、良品計画<7453.T>、Jフロント<3086.T>などの小売株も値を下げ、ネクソン<3659.T>、フジHD<4676.T>などの情報通信株も売られた。野村<8604.T>、ジャフコG<8595.T>などの証券商品先物株もさえない。

 半面、協和キリン<4151.T>、第一三共<4568.T>、エーザイ<4523.T>などの医薬品株が上昇。INPEX<1605.T>、K&Oエナジ<1663.T>などの鉱業株や、ゴールドウイン<8111.T>、デサント<8114.T>などの繊維製品株も高い。りそなHD<8308.T>、ゆうちょ銀行<7182.T>、京都銀行<8369.T>などの銀行株も買われた。

 個別では、シュッピン<3179.T>、アイロムG<2372.T>、シャープ<6753.T>、Jリース<7187.T>などが値下がり率上位。半面、TOB(株式公開買い付け)対象の岩崎電気<6924.T>(監理)がストップ高カイ気配となり、スミダ<6817.T>、じげん<3679.T>、A&DHD<7745.T>などが値上がり率上位。

提供:モーニングスター社

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