<新興国eye>前週のインド株、通貨ルピー安やアダニ関連銘柄の売りを受け反落=BRICs市況

新興国

2023/2/13 9:05

 前週(6-10日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の10日終値は前日比0.20%安の6万0682.7、週間ベースでは3日終値比0.26%安と、反落した。

 週明け6日は指数が反落。翌7日以も続落した。8日は反発、9日も続伸した。

 週前半は、インド準備銀行(中銀)の金融政策決定会合を控える中、利上げ観測が強まり、売りが優勢となった。また、1月の外国人投資家の売り越しが2885億2000万ルピーと、7カ月ぶりの高水準となったことも嫌気された。個別銘柄では不正会計問題で揺れる複合企業大手ゴータム・アダニ・グループ傘下のアダニ・ポートがこれまでの株価下落から買い戻され、急伸した。その後は、通貨ルピー安の進行が嫌気され、売りが強まった。鉄鋼大手タタ・スチールが四半期決算で赤字に転落したことを受け、急落、下げをけん引。他方、アダニ・グループのうち、売りが続いていたアダニ・トランスミッションやアダニ・ウィルマ―が9営業日ぶりに買い戻された。

 週後半は、インド準備銀行が予想通り0.25ポイントの利上げを決め、インフレとの戦いを強調し、利上げ継続の方針を示唆、タカ派(インフレ重視の強硬派)寄りになったものの、市場では反応薄となり、買いが優勢となった。特に、これまで売り込まれていたアダニ・グループのうち、中核のアダニ・エンタープライゼズとアダニ・ポートが急伸し、相場を押し上げた。その後は、売りが先行。アダニ・エンタープライゼズとアダニ・ポートが急落、下げをけん引した。株価指数プロバイダーのモルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)がアダニ・グループの一部の証券について、市場で売買可能な浮動株として認定すべきではないと判断したことが背景。

 週末10日は反落。手掛かり料難となる中、売りが優勢となった。タタ・スチールや複合企業大手リライアンス・インダストリーズ、ソフトウエア輸出大手インフォシスなど主要銘柄が売られ、下げを主導。アダニ・トランスミッションやアダニ・トータル・ガス、アダニ・グリーン・エネルギーも急落した。

 今週(13-17日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、中国のコロナ感染拡大、米中関係、インド国内の景気動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定は13日の1月CPI(消費者物価指数)と1月WPI(卸売物価指数)など。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:モーニングスター社

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