雑貨大手・名創優品の23年6月期中間決算は売上高微減も純利益が倍増の7.6億元に

サーチナ

中国株

2023/3/3 9:09

 中国の生活雑貨大手、名創優品集団HD(09896/香港)が2月28日、2023年6月期中間決算を発表した。前年同時期に比べて売上高がやや減少した一方で純利益が倍増した。

 22年7〜12月期の売上高は52億6687万人民元で、前年同時期の54億2690万元から2.95%の減少となった。主な要因として、新型コロナウイルスの影響で中国本土の事業運営が影響を受け、生活雑貨製品や「潮流玩具」(アートトイ)製品の売上が減少したことを挙げている。一方、販売コストは32億8120万元で前年同時期より14.5%減少、一部製品のコスト削減策が奏功した。また、収益性の高い海外事業が売上全体に占める割合が前年同時期の24.7%から36.2%に増加したこともあり、売上利益率は前年同時期の29.3%から8.4ポイント上昇して37.7%となった。これにより、当期の純利益は7億6391万元で、前年同時期の3億3861万元から2.26倍に増える結果となった。

 22年12月31日現在の店舗数は名創優品が5440店舗で前年同時期より395店舗増加。中国国内が157店舗増の3325店舗だったのに対し、海外店舗は238店舗増の2115店舗と海外での増加が目立った。中国での増加分の大半はパートナー経営店舗だが、直営店舗が5店舗から11店舗増えて16店舗となった。海外では主流経営形式の代理店店舗が最も多く増えた一方で、直営店も17店舗、パートナー経営店舗も43店舗増えている。また、中国国内で展開しているTOP TOY店舗数は28店舗増えて117店舗となった。

 同社は今後、中国市場の名創優品については主要都市での店舗配置が一定の成果を挙げたことから地方の小都市の店舗ネットワーク拡大に注力し、TOP TOYブランドについてはブランド知名度を高めるために一線都市、二線都市と呼ばれる大都市での店舗ネットワーク拡大に取り組むとしている。また、海外市場では各市場の状況を踏まえながら店舗ネットワークを拡大し、特にアジア、北米、欧州市場での充実を目指すとした。さらに、自前のECチャネルのさらなる開発とサードパーティECプラットフォームやO2Oプラットフォームとの提携強化によるオンライン販売チャネルの開拓にも力を入れる姿勢を示している。一方、商品開発についても高インフレ状態の中で動的な製品開発戦略を一層強化して製品のラインナップを充実させるとともに、製品の価値を高めるとした。(編集担当:今関忠馬)(写真:123RF)

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