【北京IPO】組み換えタンパクワクチン開発の北京康楽衛士生物技術が3日に公募開始、700万株発行予定

サーチナ

中国株

2023/3/3 9:15

 北京証券取引所への上場を目指す、北京康楽衛士生物技術(833575/北京)が3月3日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。700万株を発行予定で、公募価格は42元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は2008年設立の民営企業で、13年に株式会社化した。組み換えタンパクワクチンの研究、開発、実用化を主業務とする。優れた技術プラットフォームと長年の研究の蓄積により、豊富な研究開発パイプラインを構築している。目論見書発行日時点で10種類のヒト用組み換えタンパクワクチンの研究開発プロジェクトを実施しており、3価HPV(ヒトパピローマウィルス)ワクチン、9価HPVワクチン(女性適応症)、9価HPVワクチン(男性適応症)が第3相臨床研究フェーズに入っており、このほか2価新型コロナワクチン、多価ノロウイルスワクチン、RSウイルスワクチン、帯状疱疹ワクチン、多価手足口病ワクチン、ポリオワクチンなどの前臨床研究を進めている。

 目論見書発行日時点で発売に至ったワクチンはなく、ワクチン製品開発などの技術サービス提供や、モノクローナル抗体やポリクローナル抗体、酵素類など研究用検査試薬の販売による売上のみの状態が続いている。特に2021年、22年は試薬販売による売上のみだ。研究設備や人員確保のために大きなコストがかかる一方で、開発中のワクチンが発売認可取得に至らない限り大きな売上が望めない上、現在発売認可に最も近いワクチンがいずれもHPVワクチンであり、他のワクチンの製品化にはなおも時間がかかることから、赤字経営が長期間続くリスクが存在する。

 22年12月期の売上高は190万元(前期比6.92倍)、純損益は2億9281万元の赤字(同22.86%の赤字減)。(編集担当:今関忠馬)(写真:123RF)

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