<新興国eye>前週のブラジル株、10-12月期GDP伸び鈍化などを受け続落=BRICs市況

新興国

2023/3/6 9:12

 前週(2月27日-3月3日)のブラジル株式市場は3日のボベスパ指数が前日比0.52%高の10万3865.99、週間ベースでは2月24日終値比1.83%安と、続落した。

 週明け27日は指数が下落、3月相場入りした2日まで4営業日続落した。

 週前半は、前週末に発表された米1月コアPCE(個人消費支出)物価指数が前月比0.6%上昇と、市場予想(0.4-0.5%上昇)を上回り、前年比も前月の4.60%上昇から4.71%上昇に加速、市場予想(4.4%上昇)を上回ったことを受け、米利上げ長期化懸念が強まり、売りが優勢となった。また、国内では財務相が燃料課税の増税を発表したことも売り材料となった。その後は、米長期金利の上昇を受け、新興国からの資金流出懸念が強まり、売りが一段と強まった。また、通貨レアル安も売り材料となった。個別銘柄では国営石油大手ペトロブラスがガソリンとディーゼルの卸売り価格を引き下げると発表したことが嫌気され、急落、下げをけん引した。

 週後半は、米金利高が引き続き相場を下押しした。また、2月S&Pグローバル・ブラジル非製造業PMI(購買担当者景気指数)が49.2と、前月の47.5を上回ったものの、依然、好不況の「50」を下回ったことも売り材料となった。個別銘柄では病院・診療所など医療サービス大手ハプビダが四半期決算で大幅減益となり、急落、下げを主導。その後は、22年10-12月期GDP伸び率が前年比1.9%増と、前期の同3.6%増や市場予想の同2.2%増を下回ったことや、レアル安の進行が嫌気され、売りが広がった。個別銘柄ではペトロブラスが再び急落、下げを主導した。好決算を発表したものの、経営戦略の不透明さが投資家の不安を誘った。

 週末3日は反発。海外株高が好感され、買いが優勢となった。前日売り込まれたペトロブラスが買い戻され、急騰、上げを主導した。同社のジーン・ポール・プラテス新総裁が会見で、ガソリンとディーゼルの国内販売価格を国際市場価格とリンクさせるPPI(輸入価格平価)に固執せず、国内での市場競争力を高める価格決定を行う方針を示したことが背景。

 今週(6-10日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側の対ロ追加制裁、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済政策も注目される。主な経済指標の発表予定は7日の2月ジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)IGP-DIインフレ指数(全国卸売物価指数)や10日の2月IPCA(拡大消費者物価指数)など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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