<新興国eye>前週のブラジル株、米利上げ加速やハプビダの経営破綻懸念で3週続落=BRICs市況
2023/3/13 9:07
前週(6-10日)のブラジル株式市場は10日のボベスパ指数が前日比1.38%安の10万3618.2、週間ベースでは3日終値比0.24%安と、3週続落した。
週明け6日は指数が上昇。翌7日は反落した。8日は急反発。9日は反落した。
週前半は、ブラジルの重要な貿易相手国である中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、23年GDP伸び率の達成目標が5%前後と、22年の3%増を上回ったことが好感され、買いが優勢となった。個別銘柄では、アズールブラジル航空とゴル航空のキャッシュフローがいずれも改善するとの観測で買われ、上げを主導した。その後は、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長の講演を控え、米金利高懸念が強まったことや、通貨レアルと原油価格が下落したことが嫌気され、売りが優勢となった。
週後半は、政府の税制改革により、ブラジル中銀の早期利下げの余地が広がるとの思惑で、買いが優勢となった。個別銘柄では教育サービス大手エスタシオ・パルチシパソンエスが政府の学資ローン基金改革の検討が始まったことを好感、上げをけん引した。その後はパウエルFRB議長が講演で利上げペースを加速させる可能性を示唆したことが嫌気され、欧米市場が下落、ブラジル市場でも売りが強まった。また、医療サービス大手ハプビダが経営破綻懸念で急落し、下げを主導した。
週末10日は続落。米2月雇用統計で雇用者数が堅調な伸びを維持したことを受け、米利上げ継続懸念が強まり、売りが優勢となった。また、ブラジルの2月IPCA(拡大消費者物価指数)が前月比0.84%上昇と、1月の同0.53%上昇を上回り、これまでのディスインフレ(物価上昇率の低下)の勢いが止まったことも売り材料となった。
今週(13-17日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側の対ロ追加制裁、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済政策も注目される。主な経済指標の発表予定は16日の3月IGP-10インフレ指数(2月11日-3月10日まで物価変動指数)など。
<関連銘柄>
ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>
提供:ウエルスアドバイザー社
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