【為替本日の注目点】足元の金融不安ひとまず後退
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円は上昇。欧米の金融システムに対する不安が後退し、米長期金利は大きく上昇。ドル円も引っ張られる形で買われ、132円63銭までドル高が進む。UBSによるクレディスイス買収が決まり、ユーロは上昇。1.0789まで買われ、約1カ月ぶりの高値を付ける。株式市場は3指数が揃って大幅に続伸。ダウは316ドル上げ、S&P500も30ポイント上昇し、4000の大台を回復。債券は大幅安。長期金利は3.60台へと上昇。前日約1年ぶりに2000ドルの大台を記録した金は大幅に反落。一方原油は大幅に続伸。
マーケット情報
2月中古住宅販売件数 → 458万件
ドル/円 131.79 ~ 132.63
ユーロ/ドル 1.0756 ~ 1.0789
ユーロ/円 141.89 ~ 142.78
NYダウ +316.02 → 32,560.60ドル
GOLD -41.70 → 1,941.10ドル
WTI +1.85 → 69.67ドル
米10年国債 +0.125 → 3.609%
本日の注目イベント
欧 1月経常収支
欧 ラガルド・ECB総裁講演
英 2月消費者物価指数
米 FOMC 政策金利発表
米 パウエル議長記者会見
米 イエレン財務長官、上院小委で証言
欧米の金融システム不安が後退し、市場にはやや安堵感が広がったことで、恐怖指数の「VIX指数」が急低下。今回の混乱では一時「30」を超えた同指数は「21.38」で取引を終えています。
破綻したシリコンバレー銀行(SVB)と、シグネチャーバンクの預金は全額保護されることが決まり、預金流失が続いているファーストリパブリックバンク(FRC)を巡っては、米大手行が預金という形で資金供与することで合意し、さらに同行には政府支援が行われる可能性も報じられています。また信用不安を払拭するため、イエレン財務長官は21日、中小規模の金融機関が経営難に陥った場合、保険で保護される金額を超える部分についても保障する意向を示したことも好感されています。イエレン氏は米銀行協会の会議で講演し、「われわれの介入は米国の銀行システムを保護するために必要だった。中小規模の金融機関が取り付け騒ぎに見舞われ、波及のリスクが生じるような場合は、同様な行動が正当化され得る」と説明しています。講演後の質疑応答では、「国民は銀行システムに信頼を置いて良い」と答えています。(ブルームバーグ)
偶然のことだったようですが、中国の習近平国家主席がロシアを訪れ、プーチン氏と首脳会談を行うタイミングで、わが岸田首相は電撃的にウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領と会談を行いました。岸田首相のウクライナ訪問は、G7首脳としては唯一訪問していないことと、G7広島サミットも控えていることで「対面上の問題を払拭する」ためのようにも思え、それほど意味はないと思いますが、習近平氏のロシア訪問はそれなりに大きな意味を持つのではないかと考えます。
もともと、このロシアとウクライナの停戦があるとすれば、それは中国がそのカギを握っているのではないかと思っていましたが、習近平氏はプーチン氏と4時間にも及ぶ非公開の会談を行ったと伝えられています。詳しい内容は分かっていませんが、その中で「和平協議」についても話合われたようです。仮に停戦についてロシアとウクライナが今後話し合うとしても、現時点では双方の主張に大きな隔たりがあり簡単でありませせん。直ぐに停戦が実現する可能性は低いとみられます。ただ、プーチン氏としては、いまさら「振り上げた刀はおろせない」状況であるのは明らかで、ここに、中国との「友好関係を維持するため」といった大義名分があれば、その可能性もまったくないわけではありません。一方で、トップ会談では中国のロシアへの武器供与について話し合いが行われた可能性もあり、ブリンケン米国務長官は厳しく批判しています。いずれにしても、中国が動いたことで、ウクライナ情勢は新たな段階に入るとみています。
欧米の素早い対応が功を奏し、株価が上昇し、債券も買われ金利が低下。131円前後まで売られたドル円もやや戻っています。このまま金融不安が完全に消え去ることはないと思われますが、峠は越した可能性が高いと思われます。さて、明日朝のFOMC会合の結果ですが、祝日の前のコメントで筆者は、0.25ポイントの利上げを予想していましたが、月曜、火曜の海外市場の動きからすると、その可能性は高まってきたようです。パウエル議長は仮に0.25ポイントの利上げを行ったとしても、「金融不安に対しては断固とした対応で臨む」といった、市場の混乱を払拭する形のコメントも同時に発するのではないかと予想しています。もちろんまだ結果はわかりません。予断のないよう構える必要があります。
本日のドル円は131円~134円といったレンジを予想します。
(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)
・今日のアナリストレポート
https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm
・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧
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