<新興国eye>前週のブラジル株、中銀議事録やレアル高、米CPIの弱さ受け3週続伸=BRICs市況

新興国

2023/5/15 8:57

 前週(8-12日)のブラジル株式市場は12日のボベスパ指数が前日比0.19%高の10万8463.8、週間ベースでは5日終値比3.15%高と、3週続伸した。

 週明け8日は指数が上昇。11日まで6営業日続伸した。

 週前半は、ブラジル中銀の経済週報「フォーカス・ブルティン」でIPCA(拡大消費者物価指数)で見た23年のインフレ見通しが前週予想の6.05%上昇から6.02%上昇に、24年の見通しも4.18%上昇から4.16%上昇に引き下げられたことが好感されたことで買いが優勢となった。中銀の金融政策委員会のメンバーに財務省ナンバー2のガブリエル・ガリポロ財務次官が指名されたことを受け、中銀の利上げ継続スタンスが緩和するとの思惑も相場を押し上げた。また、原油などコモディティ(国際相場商品)相場の上昇を受け、資源セクターが買われ、上げを主導。

 その後は、化粧品大手ナチュラが好決算を受け、急騰、上げを主導した。ただ、中国の4月輸出入実績が低迷、景気回復懸念が強まったことや、ブラジル中銀の議事録で今年下期にインフレが再加速する懸念が示されたため、上げは限定的となった。

 週後半は、3月鉱工業生産が前年比0.9%上昇と、前月の同2.4%低下や市場予想の同0.6%上昇を上回ったことや、通貨レアル高が好感され、買いが優勢となった。また、米4月CPI(消費者物価指数)が市場予想を下回る弱い伸びとなったことも支援材料となった。ただ連日の相場上昇を受け、利食い売りも強まった。その後は、レアル高が進行したことで買いが一段と強まった。また、国営石油大手ペトロブラスが好決算を発表、配当実施を決めたことを受け、急騰、上げを主導。ただ、高値警戒感からの利食い売りや米金融不安の再燃懸念で上値は重くなった。

 週末12日は7営業日続伸。引き続き、ペトロブラスが買われ、相場をけん引。また、4月のIPCA(拡大消費者物価指数)が前月比0.61%上昇(前年比4.18%上昇)と、前月の同0.71%上昇から伸びが鈍化したことも支援材料となった。

 今週(15-19日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側の対ロ追加制裁、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政政策も注目される。主な経済指標の発表予定は16日の3月サービス業成長率や17日の3月小売売上高、19日のGDP伸び率の先行指標となっている3月IBC―Br(経済活動指数)など。

<関連銘柄>

ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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