<新興国eye>前週のブラジル株、レアル高や米デフォルト回避観測などを受け4週続伸=BRICs市況

新興国

2023/5/22 8:58

 前週(15-19日)のブラジル株式市場は19日のボベスパ指数が前日比0.58%高の11万0744.5、週間ベースでは12日終値比2.10%高と、4週続伸した。

 週明け15日は指数が上昇。翌16日は9営業日ぶりに反落した。17日は反発。18日も続伸した。

 週前半は、米デフォルト(債務不履行)問題でバイデン大統領が議会と法的債務上限の引き上げについて協議する見通しを受け、欧米市場が堅調となったことや、米利上げ一時停止観測の高まりでレアル高となったことが好感され、買いが優勢となった。その後はこれまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。ただ、国営石油大手ペトロブラスが輸入原油価格にリンクしない新しい価格設定ルールを採用したことが好感され、急伸、相場を下支えした。

 週後半は、米デフォルトの回避観測が高まり、買いが優勢となった。政府の新財政枠組み法案が翌週にも下院で投票が行われる見通しとなったことも支援材料となった。個別銘柄では鉱山大手ヴァーレが急伸、上げを主導。その後は、レアル高となったことや、下院議会が新財政枠組み法案の迅速処理を求める動議を賛成多数で承認したこと、さらには3月小売売上高が前年比3.2%増と、前月の同1%増と市場予想の同1.2%増を上回ったことが好感され、買いが一段と強まった。

 週末19日は3日続伸。GDP伸び率の先行指標となっている3月IBC-Br(経済活動指数)は前月比1.5%低下となったが、1-3月期の3カ月間で2.41%上昇となり、市場予想(0.3%上昇)を大幅に上回ったことが好感され、買いが優勢となった。また、米債務上限引き上げを巡るバイデン米大統領と議会の協議が近く合意するとの見通しも支援材料となった。

 今週(22-26日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側の対ロ追加制裁、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政政策も注目される。主な経済指標の発表予定は25日の5月中旬時点のIPCA(拡大消費者物価指数)や26日の4月経常収支など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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