来週の東京外国為替市場見通し=FOMCが最大の焦点

国内市況

為替

2023/7/21 16:45

予想レンジ:1ドル=138円00銭-142円00銭

 7月17-20日のドル・円は上昇した。週初17日は、米7月ニューヨーク連銀製造業景況指数が堅調でドル・円を支援。18日、米6月小売売上高が市場予想を下回ったものの、同コア小売売上高が市場予想を上回り、米消費の底堅さが確認されドル買いに。同日、日銀の植田和男総裁が現行の金融緩和策の修正に慎重な見方を示し、円売り・ドル買いが加速した。19日は、前日の植田日銀総裁のハト派的な発言を材料視した円売りが継続。20日、週次の米新規失業保険申請件数が市場予想に反して減少し、米労働市場の改善が示唆されると、ドル・円を押し上げた。

 ドル・円は、日米欧の中央銀行の会合が控える中銀ウィークに入り、各国の金融政策の方向性や温度差を見定める相場展開となる。最大の焦点は25-26日開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)。市場では0.25%の追加利上げの織り込みが進むが、その後の利上げ打ち止め観測がくすぶる中で、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が会見でどのようなメッセージを発するか注目される。もっとも、米国のインフレ懸念が完全には払拭されていない中、タカ派的な姿勢を積極的に崩すとも考えにくく、ドルには一定の底堅さも見られるか。

 27-28日には日銀金融政策決定会合が開催される。植田日銀総裁は直近で「持続的、安定的な物価2%の目標達成には、まだ距離がある」との認識を示し、目先のYCC(イールドカーブコントロール、長短金利操作)修正観測が弱まりつつあるが、サプライズには警戒しておきたい。経済指標では、米7月コンファレンスボード消費者信頼感指数、米4-6月期GDP(国内総生産)速報値、米6月耐久財受注、米6月個人所得・消費支出など重要指標が相次ぐ。

 ドル・円はチャート上で、25日移動平均線(7月20日基準)141.93円近辺が上値メド。下方向では直近安値137.26円(7月14日)が意識されるが、フシ目付近では底堅さを保ちそうだ。

提供:ウエルスアドバイザー社

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