<夏休みお宝株>債務超過からの大逆襲始まる―アルファクス

株式

2023/7/26 16:00

 生成AI(人工知能)への投資拡大に伴う思惑で、アドバンテスト<6857.T>や東京エレクトロン<8035.T>がバブル的な相場を演じてきた。しかし、台湾TSMCの決算からも分かるように、半導体需要の回復は遅れている。半導体に限らず低調さが目立つエレクトロニクス分野だが、その中で引き合いを強めているのが「サービスロボット」だ。コロナ後の経済再開で飲食業の人手不足が深刻を極める状況下で、配膳ロボや案内ロボなどの整備が急速に進んでいる。

―飲食業の人手不足問題、切り札は「サービスロボ」-

 従業員に代わって来店客などの相手をするサービスロボは、省人化に寄与するだけではなく、的確な動きで顧客満足度が向上することも期待される。特にAI搭載タイプのニーズが大きく、中国のオリオンスターテクノロジーの製品の評価が高いと言われている。オリオンはハードよりソフトに強く、きめ細かいサービスを提供できる点が強みだ。

 そこに目を付けた商社の双日<2768.T>は、オリオンのロボットの日本総販売代理店となっている。そして、その双日に飲食店向けの独占販売を任されているのが、アルファクス・フード・システム<3814.T>だ。要するに、双日が輸入、アルファクスが販売するという形態を取っているわけだ。

 また、経済再開に伴い、同社がもともと手掛けてきた自動発注システムも伸び始めている。配膳・案内AIロボットの領域とともに、自動発注システムを海外展開する準備をコロナ下の2019年から注力しており、日本より大きい市場に進出する道筋ができている。

―資金調達で財務安定へ、時価総額わずか30億円台-

 一方、アルファクスは現時点で債務超過の状態にあり、決算短信に継続企業の前提に関する注記が付されている。ただ、7月18日に双日などが増資を引き受け、懸念材料だった財務が安定する見通しだ。

 日本の外食業界の現状を踏まえると、人手不足解消と業務効率化への課題の観点から、配膳・案内ロボや自動発注システムのビジネス拡大は半ば約束されている。アルファクスは時価総額わずか30億円台の超小型であり、株価が飛躍する余地がかなり大きいと考えらえる。

 また、サービスロボの関連株として、USEN―NEXT HOLDINGS(UNEXTH)<9418.T>、ダイワ通信<7116.T>、チェンジホールディングス<3962.T>なども押さえておきたい。

提供:ウエルスアドバイザー社

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