【為替本日の注目点】ドル円145円台半ばに反落

為替

サーチナ

2023/8/18 9:57

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 東京市場朝方には146円56銭まで買われたドル円はNYでは反落。急ピッチの上昇であったことや、利益確定の売りに押され145円62銭までドルが反落。ユーロドルは小幅に続落。1.0857まで売られ、ユーロ円も小幅に水準を下げる。株式市場は3指数が揃って大幅続落。金利が上昇したことを受け、ダウは290ドル、ナスダックは157ポイント下げる。債券は続落。長期金利は一時4.32%まで上昇し、4.27%台で取引を終える。金は13ドル下落し、これで9日続落。原油は反発。

マーケット情報

新規失業保険申請件数 → 23.9万件

8月フィラデルフィア連銀景況指数 → 12.0

7月景気先行指標総合指数 → -0.4%

ドル/円 145.62 ~ 146.30

ユーロ/ドル 1.0857 ~ 1.0918

ユーロ/円 158.26 ~ 159.14

NYダウ -290.91 → 34,474.83ドル

GOLD -13.10 → 1,915.20ドル

WTI +1.01 → 80.39ドル

米10年国債 +0.024 → 4.274%

本日の注目イベント

日 7月消費者物価指数

欧 7月消費者物価指数(速報値)

英 4-6月期GDP(速報値)

英 7月小売売上高

米 日米韓首脳会議(米キャンプデービッド)

 ドル円は久しぶりに上昇が一服です。昨日の朝方、前日のNYでのドル高の勢いを受け一時146円56銭までドルが買われましたが、昨日のNYでは145円台半ばまで反落しています。このところ急ピッチでドル高が進んだことと、利益確定のドル売りが1円程水準を引き下げています。日足チャートでは、寄り付きよりも引け値の方が高い「陽線」が8日連続で示現しましたが、9日連続とはなりませんでした。因みに昨年10月、ドル円が151円94銭まで上昇した際には「12日連続の陽線」が見られました。

 ドル円の上昇が一服した最大の理由は「急激に高まった介入警戒感」だと、筆者は分析しています。今朝は日経新聞が「為替介入強まる警戒感」の見出しで、一面のスペースを大きく割いています。またブルームバーグでも、「円安進行で口先介入を警戒」といった記事や、「円買い介入、東京時間よりNY時間がリスク高い」といった記事もありました。これだけ介入に関する記事が多かったことは、昨年の秋以降のことになります。後者の記事を紹介すると、「財務省は昨年9月以降、3回の円買いを実施しているが、公式データには実際の介入時刻は記載されていない。ただ、日中の動きからすると、昨年9月22日午後5時には当時の黒田総裁が『日銀はフォワードガイダンスを2―3年は変更しない』と発言したことで円売りが加速。日銀総裁や審議委員など、当局者の発言が円売りのトリガーになったが、現在の植田総裁他当局者はその可能性が低い。さらに東京のトレーダーは介入リスクをよく認識している。またNY時間の米金利の上昇も円売りにつながりやすいことから、NY時間の方が介入の可能性が高い」といった内容でした。ただ、各国中銀が市場介入を行う場合、基本的には自国市場で行います。NY市場で介入を行う場合、米財務省やNY連銀などにも事前に通知や了解などが必要かと思われ、その分手続など煩雑なのは事実です。いずれにしても、水準的にはいつ介入があってもおかしくありません。ポイントは「水準とその円安のスピード」ということかと思います。

 本リポートでも何度か触れた、来週24-26日に開催されるジャクソンホールでの「経済シンポジウム」ですが、パウエル議長の講演時間が公表されました。議長は25日(金)の午前10時5分(日本時間午後11時5分)に経済見通しについての基調講演を行う予定です。前日も7月のFOMC議事録が公開され、その内容が想定以上に「タカ派寄り」であったことから、ドル円は146円台半ばまで上昇しました。発表された7月のCPI、PPIが揃って市場予想を上回ったこともあり、追加利上げ観測が高まっています。一方7月会合では2名の委員が「据え置き」を支持していたことも判明しており、FOMCメンバーの中で見方が分かれているのも事実です。パウエル議長がどのような認識を示すのか、今回の「ジャクソンホール」は極めて注目度が高いと言えます。講演ではやはりインフレに対して慎重な見方、つまり「ややタカ派寄り」の発言をするのではないかと予想していますが、そうなるとドル高が加速する可能性もあります。政府・日銀が「ジャクソンホール」の前までに介入するのかどうかもポイントの一つになります。

 本日のドル円は144円80銭~146円50銭程度を予想します。

(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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