【為替本日の注目点】米ドル独歩高の様相

ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円はこれまでと同じ道を辿り、小幅ながら年初来高値を更新。特段材料がない中、米金利の上昇に148円97銭まで買われたが、今回も149円には届かず。ユーロドルでもドル高ユーロ安の流れが続き、ユーロドルは3月16日以来となる1.0575まで下落。米金利が大幅に上昇したものの、株式市場では3指数が揃って小幅に反発。債券は大幅に反落。長期金利は一時4.54%まで上昇し、4.533%近辺で引ける。金と原油は揃って下落。
マーケット情報
ドル/円 148.65 ~ 148.97
ユーロ/ドル 1.0575 ~ 1.0634
ユーロ/円 157.48 ~ 158.10
NYダウ +43.04 → 34,006.68ドル
GOLD -9.00 → 1,936.60ドル
WTI -0.35 → 89.68ドル
米10年国債 +0.10 → 4.533%
本日の注目イベント
米 7月ケース・シラ-住宅価格指数
米 7月FHFA住宅価格指数
米 8月新築住宅販売件数
米 9月コンファレンスボード消費者信頼感指数
米 9月リッチモンド連銀製造業景況指数
米 ボウマン・FRB理事、イベントの冒頭で挨拶
ドル円はこれまでと同じような動きを見せ、連日の年初来高値を更新したものの、149円には届かず、148円97銭まで買われています。特段材料もない中、米金利の上昇に引っ張られる格好でドルが買われ、昨日のNYでは「ドル独歩高」の展開でした。ユーロドルも売られ、今年3月16日以来となる1.0575までドル高が進んでいます。一方株式市場では、連日株価が下げていたこともあり、この日は金利高にもかかわらず主要3指数が揃って反発しましたが、上昇幅は小幅でした。ドル高が進んだことで金は売られています。
シカゴ連銀のグールズビー総裁は25日CNBCとのインタビューで、米金融当局がインフレ抑制に向けて金利を引き上げても、米国がリセッションを回避することは可能だとの考えを示しました。総裁は、「私はそれを『黄金の道』と呼んできた。それは可能だと考えるが、多くのリスクがあり、その道は長く曲がりくねっている」と述べています。また、コアインフレの月間ベースの数字に進展が見られ始めていることを受け、「金利をどこまで引き上げるべきかというよりも、どの程度長い期間高水準で維持するかを議論する時期に急速に近づいている」との認識も示しています。(ブルームバーグ)
先月初旬に格付け会社「フィッチ・レーティングス」が突然米国債の格付けを最上級から「1ノッチ」引き下げたことで、各金融市場ではしばらくその影響が残りましたが、今度は「ムーディーズ・インベスターズ・サービス」が米国債にネガティブな見方を発表しました。同社は大手格付け会社の中で唯一米国に最高格付けを付与している会社です。ウィリアム・フォスター氏らムーディーズのアナリストは25日、「政府債務返済に影響がなく、短期間の閉鎖で経済が混乱する可能性は低いが、近年われわれが指摘してきた、他のAAA格付け国と比較した米国の制度とガバナンスの弱さが強調されるだろう」とリポートで説明し、「米政府機関が閉鎖されれば、米国の信用格付けにネガティブに反映されるだろう」と述べています。既に大手格付け会社3社のうち2社が米国を最上級の格付けから引き下げていることから、今回の表明が市場に大きな影響を及ぼすとは思われませんが、8月初旬にフィッチが格下げを発表した際にも、想定された以上の影響が残りました。今後の米債券市場の動き次第では、「米ドル独歩高」の状況に一石を投じる可能性もあるかもしれません。
岸田首相は25日、物価高対策や持続的な賃上げなどを柱とする経済対策の取りまとめを26日の閣議で指示することを表明しました。経済対策の柱は「物価高対策、持続的な賃上げと地方の成長実現、国内投資の促進、人口減少対策、国民の安心・安全の実現」の5つです。物価高に苦しむ国民に対して「今こそ成長の成果である税収増などを適切に還元するべく経済対策を実施したい」との考えを述べ、足元の円安進行については、「過度の変動は望ましくない」とした上で、「引き続き高い緊張感を持って注視する」考えを表明しています。
極めて緩やかなペースで上昇するドル円です。このままで行くと、今日にも149円台に載せる可能性もあります。何やら、台風の進路を説明している気象予報士のようですが、引き続き介入には注意が必要です。昨日コメントしたように焦点は「150円に載せるかどうか」でしょう。その前に介入があるのかどうかですが、「150円台に載せても動きはなく、投資家が安心し切ったところで大規模な・・・・」といった戦略も考えられます。
本日のドル円は147円50銭~149円50銭程度といったところでしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)
・今日のアナリストレポート
https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm
・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

関連記事
-
テクニカルで選ぶ注目銘柄=DCM:5日・25日の両移動平均線に対するプラスカイ離を回復
2023/9/26 9:43
ホームセンター最大手のDCMホールディングスの株価が25日に前週末比16円高と上伸して、終値で5日・25日の両移動平均線に対するプラスカイ離を回復してきた。日足一目均衡表においても2・・・…続き
-
JPXが3日続伸し連日で年初来高値、24年3月期業績予想の上方修正と配当の増額計画で買い人気
2023/9/26 9:42
日本取引所グループ(JPX)が3日続伸。一時124.5円高の2820.5円を付け、連日で年初来高値を更新した。25日引け後、24年3月期の連結業績予想(IFRS)の上方修正と、配当の・・・…続き
-
先読み作戦指令室=サーキュレー:人件費増こなし利益拡大続く
2023/9/26 9:30
サーキュレーションに注目したい。 プロ人材の経験・知見を活用して経営課題の解決を支援する「プロシェアリング」のリーディングカンパニー。このほか、CTO(最高技術責任者)、エンジニア、・・・…続き
-
テクニカルで選ぶ注目銘柄=ノジマ:日足一目均衡表の「雲」の上限を突破
2023/9/26 9:45
家電量販店を首都圏に展開するノジマの株価が25日まで3連騰となっており、25日には63万株の出来高を伴って前日比26円高と上伸して、日足一目均衡表の2つの先行スパンで囲まれた「雲」と・・・…続き
-
テクニカルで選ぶ注目銘柄=ANA:25日線を突破、5日線と25日線のミニGC形成が射程圏内
2023/9/26 9:44
ANAホールディングスの株価が25日に前週末比31円高と続伸して、終値で25日移動平均線を抜いてきた。株価が5日・25日の両移動平均線の上位に位置する中、2本の移動平均線のカイ離幅も・・・…続き
速報ニュース
-
7時間前
-
225オプション・プット(期近・12月11日・権利行使価格3万2500円)
8時間前
-
8時間前
-
225オプション・コール(期近・12月11日・権利行使価格3万3000円)
8時間前
-
8時間前
-
8時間前
-
8時間前
-
8時間前
-
8時間前
-
9時間前